「今や貴族は紳士だが、かつてはならずものであった」
イギリス史はよく解らないが、サムライに義があるのは平和と権力を確立してから作り上げられたマナーで、かつて武士は蛮族だったみたいな話かもしれない。
それにしては悪の秘密結社の黒幕がイングランド貴族に全てを奪われたスコットランドの羊飼いなのはいかがかと思うが、ともあれ「ならずもの」であった貴族のイングランドをよく思わない羊飼いのもとに、ロシアの怪憎ラスプーチンやら第一次世界大戦の引き金を引いたガブリロ・プリンツィプやらハニートラップの女スパイ・マタハリやらという第一次〜第二次世界大戦期に実在した胡乱なひとびとが集結してトンデモに暗躍する。
キングスマンの超絶不謹慎トンチキスパイアクションをわくわくして観に行ったら重厚な歴史映画がお出しされてきて一瞬面食らうが、元ネタがわかると結構怒られそうなことばかりやっているいつものキングスマンでした。不謹慎最高。エンドロールのオチが本当に不謹慎でめちゃくちゃ笑ってしまった。
バレエとコサックで闘うおじさま限定セクハラ不死身ラスプーチンが変すぎて史実ですわ。傘はチートアイテムなので安心してください。英国面ェ……。
映像、特にシリアスパートの比喩的な表現と場面の繋ぎが素晴らしく、世界史がわからなくても引き込まれるので本当に才能の無駄遣いだ（褒めている）。
なお前日譚なのでキングスマン前二作観てなくても大丈夫。実在人物でひっでえ話してるのでFGO勢とかにオススメです。今ならディズニープラスでも見られるので見よう。
