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僕たちのラストステージの東京キネマのレビュー・感想・評価

僕たちのラストステージ(2018年製作の映画)
4.5
100年前のスラップスティックに笑えるというのも凄いですが、50年代ロンドンの風景を完全に再現している美術も本当に凄い。もうねえ、歳のせいか、この手の話はダメです。泣けてきますよ。

感動の振れ幅が大きい分、逆にだんだん腹が立ってきました。日本にもローレル&ハーディに負けない先人が沢山居るのに、日本の映画界は何をやってるんだろうと。エノケン・ロッパは? エンタツ・アチャコは? この手の映画は、偉大なる先達に対して映画業界が敬意を込めて創るもの。だから、すでに不動産屋になり果てた日本の映画会社に求めても仕方ない話なんでしょうが、それでも言いたくなります。「日本の年間映画興行収入は1800億円。紅ショウガの市場規模より小さい」とか「もう人々は映画に求めているものはない」(某映画会社社長の言葉)とかしょうもないこと言ってないで、ちゃんと企画して、予算を掛ければ絶対お客さんは来ます。やってないから証明できないだけですよ。

急に思い出してしまったのですが、日本のコメディや映画が死滅したせいなのでしょうが、昔からある日本のオノマトペ文化のようなものが無くなってしまって、わたしは本当に寂しいのです。ドンガラガッタホーレツラッパノツーレツ(じんじろげ)とか、かんかんのうきゅうれんす(九連環)とか、のあれです。おそらく今の若い人が聞いたら何が何だか分からないでしょうが、当時の人だって何が何だか分からず歌っていたのです(笑)。 ただの語感遊び、語呂遊びの世界。

そういえば、エノケンとくれば「東京節」。ラメちゃんたらギッチョンチョンでパイのパイのパイ、です。これ原曲がアメリカの「ジョージア行進曲」。進駐軍が東京に来た時、この曲で行進してそれを見た日本人は大笑い。アメリカ兵はなんで笑われているのか分からない。リメンバー・イオウジマの意趣返しか、と恐怖を感じたとか感じなかったとか。。。おかしいねえ、これは完全に文化力の勝利です。ざまあ、です。。。(笑)
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