新潟の映画野郎らりほう

サムライマラソンの新潟の映画野郎らりほうのレビュー・感想・評価

サムライマラソン(2019年製作の映画)
2.0
【二国間頓珍漢伝達】


「a film by Bernard Rose」
「この物語は史実に基づいて創作された…」云々
「SAMURAI MARATHON 1855」

………

冒頭に提示される上記三つのテロップ及びタイトルが早々に表明するセンスの無さ。
続く小松菜奈と長谷川博己の屋内場面に於ける照明への無頓着さ。
何故か人物を“見切れ”で捉えまくる謎の構図は『この製作陣は「画面内の誰が今講話中なのか」果たして理解しているのか』とすら思わせる。
田畑等映すロケーションショットも単に映すだけじゃなく、農作業に勤しむ人々から俯瞰に移行するなり色々あるだろうに-何の為のクレーンショットかと。
小松菜奈への接写、及び一部挿し込まれる高速度撮影もその用法を疑う。

加えて本作に限らずだが、山形庄内映画村のルックにもいい加減食傷気味であり、一手間二手間かける工夫が欲しい。


来航した黒船陣と日本側で意思疎通が図れず頓珍漢なやりとりが繰り広げられるが、皮肉にもその「二国間頓珍漢伝達」を本作製作陣が作品構造次元で証明して(しまって)いる。




《劇場観賞》