彦次郎

地獄の彦次郎のレビュー・感想・評価

地獄(1960年製作の映画)
3.5
交通事故を契機に苦痛を味わい尽くし死亡した後に冥界でも苦しめられるまさに地獄なホラー。
意味ありげなナレーションと裸体と不穏な音楽で始まるオープニングからして強烈。
登場人物の悉くが罪悪を背負っている訳ですが特に教授が戦争中に犯した犯罪は極限状況での人間性を示しており興味深いです。いとも簡単に人が死んでいく様も戦争の残り香を感じます。
後半の地獄はかなりシュールですがCGの無い時代の発想としては独創的で恐らく今後も同じ雰囲気で再現するのは難しいかと思われます。
天地茂演じる美青年を現世冥界問わずに付き纏い絶望に追い込む田村の圧倒的な存在感は飄々とした死神として心に残りました。
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