タイトルがすごいよね。最高の日が最悪の日でもある。
結婚式の数日前、打ち合わせのために式場に向かう新郎と友人。
待ち合わせの時間に遅れるという気ぜわしさから、抜け道を通るけれど、焦る気持ちから女性をはねてしまった。
単なる轢き逃げ時間かと思ったら、死んだ女性の父親がなぜ自分の娘はあの場所に、どうして死んでしまったのかそれを知りたい一心で、娘の友人や日記を読む。
同時にはねた2人も警察に捕まってしまうんだけれど、むごいよね。
あの時、すぐ警察に出頭していたら…何も知らない新妻の立場は苦しいよね。
そして、事件のすべてがわかった時、人間の嫉妬の恐ろしさを思い知らされる。誰でもよかったって…(これは是非劇場で顛末をご覧になってほしいですね)
主人公の宗方秀一を演じた中山麻聖さんは目力と佇まいがいいなと思いましたし、森田輝を演じた石田法嗣さんは後半の狂気をはらんだ取調室のシーンは圧巻でした。
特に印象的なのは準抗告で警察から出てきた輝を時山が追いかけるシーン、時山演じる水谷さんのあの走りの演技は凄いと思いました。ちゃんと時山という人となり、必死で追いかけているんだけど妙に滑稽でもあるその姿。
そして、刑事を演じている毎熊さん、今どきの刑事さんって感じでまた違う一面を見ることができたって感じだし、岸部一徳さん演じる柳のそれぞれの人たちの接し方味わい深かったです。
最後宗方の新妻の早苗と時山の妻の千鶴子が山の上のカフェで早苗が秀一の手紙を千鶴子に読んでもらうシーン。秀一の思いはずんときました。
車を移動手段に使っている身からすると、本当にいつ自分もそういう立場になるかもしれないという気持ちを持って運転しなければならないと思うし、そのためには常に心に余裕を持たなければと考えるし、難しい問題だと思う。
架空の町の設定だけど、ロケ地だった神戸のステキ場所がたくさん登場してそれはそれで楽しめました。水谷豊監督が若い頃出演した「青春の殺人者」のような少し湿り気をも感じる作品でした。