このテンションの高さとテンポのよさ（特に前半）。あー、楽しい。春田と牧の気持ちがすれ違うシリアス調の部分とコメディ要素のバランスも好み。花火大会の水辺のシーン、せつない。ドラマを見ていなくても楽しめます、かなんか言っていたずらにターゲットを広げないで、ファンのためだけに作られた映画だなと感じた。
ただ、春田と牧がせっかく付き合っているのに、平和な日常みたいなシーンがないのが惜しい。5分でも3分でも二人の“普通の日”を見たかった。「きのう何食べた？」なんかそれだけで連ドラやりきったし、恋人たちのなにげない日常って十分コンテンツになるのに。たいした起伏がなくても、人と人が仲良くしてるさまを見るのが好きな人は世の中、意外と多いと思うんだよ。これは2期に期待するしか。
「五角関係」と宣伝されていたけど、終わってみれば二人はずっと二人だった。そもそも今回は恋愛よりも、仕事への取り組み方とかそれぞれが実現したい夢とか、そういうところがフィーチャーされていた。恋人同士だけど人生のライバル同士でもある感じは、男女より同性カップルのほうが色濃いのかも。新しい恋敵（？）以上に、相手の夢や自分の嫉妬心が障壁になるストーリーはリアルだと思うし（描き方はちょっと極端だったけど）、私は好きだった。
武川の恋は簡単に成就しないといいなと思う。いまや、それが武川の個性だし（あの名曲の歌詞のところ笑う）。だいたい、春田を好きだった人が武川の愛をすんなり受け入れるとも考えにくい。タイプが違い過ぎて。牧は二人共と付き合ったわけだけど、武川が先だから成立してる気がするんだよな。
