成川ジロー

スウィング・キッズの成川ジローのレビュー・感想・評価

スウィング・キッズ(2018年製作の映画)
4.6
「これ原作ジャンプ漫画だろ!!」っ思うくらいスポ根ド真ん中で暑くて楽しい前半、最高。ダンスシーンも本当に良くてキャラクターも最高で、素直に滅茶苦茶楽しめた。ところどころに挟まれる強引なギャグとかホント微笑ましかったし、各ダンスバトルシーンはマジで5億点満点。一回辞めようとするおじさんを引き留めるシーンで普通に泣いた。ベタだけど妄想で扉を蹴破って踊るの最高だし、本当にファッキンイデオロギーだし、傑作韓国映画の法則と言うか、傑作韓国映画の伝家の宝刀もバッチリ素晴らしいクオリティで炸裂します!
超オススメです!!個人的には『ジョジョ・ラビット』に匹敵すると言うか、兄弟作みたいだなって思うところもあった。
是非劇場で見てください!タップダンスの音に聞き惚れる!












以下ネタバレと言うか核心部分に触れてます。
















辛すぎるよぉおおお!!!!(;∀;)
前半、最高のド真ん中スポ根青春映画でしたが、全体としてはこれは紛れもなく韓国映画だった。
わかってましたよ。絶対にこのままでは終わらない。このままじゃ戦争を背景にしてる意味が無いって事は。韓国の良い映画のド真ん中のフォーマットだよ。いつもこうだったよ。現実を叩き付けると言うか容赦無いと言うか。それでもね、前半部分があまりにも個人的に好きだったから、「このままハッピーエンドを頼むっ……!!」って祈らずにはいられませんでした。一流の悲劇か三流のハッピーエンドかって話で、三流のハッピーエンドを願わずにはいられませんでした。
主人公はただダンスしたいだけなのに逃れられないあの状況や、兄貴のキャラクターに普通に泣かされました。メインメンバーも最後、互いに互いをかばい合うのとか細かくて一瞬だけど本当に素敵な演出でそこだけでも泣いてしまう。
ここまで痛烈な悲劇にするからこそ、戦争の愚かさ、人間性を踏み躙る戦争の害悪が浮き彫りになるのは本当にわかるんです。でもやっぱりたまには三流のハッピーエンドを願わずにはいられない。
中盤でおばあちゃんが大好きなあまりに裏切る主人公の友人が言ってた言葉が刺さりますよね。「国を分け、人を殺す思想の方が異常だ。俺が一番まともだ」みたいなの。民族分断は何にも解決してないしね。
とてもツラいやつですが、そのせいでこの映画の評価が下がると言う訳ではありません。素晴らしい作品です。オススメです。
成川ジロー

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