このレビューはネタバレを含みます
風呂敷広げすぎ〜
◆視聴ハードル
まず試聴までの敷居が高い。
知ってても知らなくても大丈夫、ではなくて、前提としてワンダビジョンまで試聴必須なのはいかがなものか
見てないと確実に「????」となる
◆面白みのないストーリー
MCU作品である以上、ハードルに関してはとやかく言ってもしょうがないけど、じゃあMCU作品群全部視聴していて、ワンダビジョンも履修済みだった上で、面白かったかな?と言われると、そうでもない。
①マルチバースを移動できるアメリカちゃんが登場、敵に襲撃されている中保護する
②助けを求めにワンダに会いに行ったら、アメリカちゃんを狙ってたのはワンダでした
③vsワンダの最中事故で違うユニバースに飛ぶけど、ワンダより自分が危険視されて監禁される。でも結局vsワンダの展開に
④なんだかんだでワンダ改心・自滅
たったこれだけのメインストーリーで、捻りが全然ない。
シニスター・ドクター・ストレンジとの対決とか、別ユニバースではカーターがキャプテン・アメリカに!?とか、そういうこざかしいネタは多いけど、要素が無駄に複雑になるだけで、そこに至るまでのドラマとかも特にないのにキャラクターや設定が増えても脳みそが疲れるだけ。正直わずらわしさしか感じない。
今まで見てきたドクターストレンジはそんなに安易に闇落ちしないし……アベンジャーズとかネクスト世代のヒーローたちは世界救ってきたじゃん。急に崩壊した世界魅せられて闇堕ちストレンジぱっと見せられても、説得力ないというか。マルチバースっていうなら、あーこういうストレンジもいるんだろうな。で終わり。
女性ストレンジとか、if展開の各キャラが出てきても、「そういう世界もあるんだろうな」でおわり。そういうのやりたいならwhat ifでよかったわけだし、大前提のストーリーを充実させてくれぃ
◆なんでもあり
そもそもアメリカちゃんはなんなのって話。一応庇護ヒロインポジだったけど、特別な魅力を感じることができず、大量生産の新設定ヒーローが増えただけ。これからの活躍に特に期待とかないし……。
ワンダは悪の書物に魅入られていて、暴力的なやり方でアメリカちゃんのパワーを奪おうとしてるって前提はまあ納得なのですが……。自分のユニバースなら最強でなんでもできちゃうワンダでも、別ユニバースに干渉できる力はないわけだから、その別ユニバースに干渉できる力をゲットしようって話だよね。
でも、別ユニバースに干渉できる能力、闇の書のドリームウォークとアメリカちゃん以外にも絶対存在してると思うからもうちょっとちゃんと探してほしい。
結局ユニバースが広がるにつれて、「なんでもあり」の世界になってるわけだから、大抵のことが起こっても、ぁぁぁあー。っというぬるっとした感想しか抱けないよぉ
◆CGゴリ押しの見どころのない戦闘
それこそCGゴリゴリの戦闘はやりたい放題でなんでもありで見減りする。
ワンダの力って言っちゃえば最強だから、あんなに戦闘長引かせなくても一瞬でちゅどどどっと世界制圧できちゃいそうなもん。そこはワンダの「良心」ってことで説明されてるけど、破壊と殺戮を繰り返していて良心も何も……
映画のほとんどのシーンが大味な戦闘シーンだったわけだけど、CGで派手に暴れ回っただけで、カメラワークとか戦闘演出とかでもっと魅せてほしかった。
初っ端のvsルーン怪物も、ドクター・ストレンジ先生何やってるんですか?って感じ。あんなの瞬殺できるやろ。最初から目抉れやって感じです
言っちゃえば戦闘全部に必然性が感じられなくて、ただ観客に見せるための無駄な戦闘シーンにしか見えないんですよね
まったくぅ
◆ゾンビっぽいワンダ
が追いかけ回してくるシーンは怖くて良かった。でもワンダなら一瞬で追いつけるしみんなのこと殺戮できるのに無駄な追いかけっこ。
ホラー映画作りましたって触れ込みだったけど、ホラー要素これだけ。
ビジュアルはよかったけどそれだけ。
◆vsシニスターストレンジ
vsシニスターストレンジなんて、まさにご都合の骨頂。
あのユニバースもあのストレンジもなんのために存在してるのか全く必然性が分からない。
滅びを待つだけのストレンで、他のユニバースからノコノコ自分が来るの待ってたの?なんのために??ダークホールドもってるんだからもっと世界に干渉したり色々できたでしょ。
戦闘もなんでしたのかいまいちよくわからず。
というか、唐突な音楽バトル。今までそんな攻撃してなかったし、普通に魔法ぶつけ合えばいいのに、なぜ音楽要素を攻撃魔法に変えるみたいな縛りを……???
ハープポロロンで出た音記号一つで魔法に干渉させて爆発起こしたり、なんかもうやりたいほうだい
どれだけオシャレな演出も、必然性がないとポカン。楽器鳴らさないと攻撃できないわけじゃないでしょう
じゃじゃじゃじゃーん!じゃないよ。笑うからやめて
シニスターの存在自体がなんというか、ラスボスのミスリードのためだけの存在っぽいですよね。
◆ゾンビストレンジ
ドリームウォークで元の世界に戻るにしても、自分がいないじゃんっておもったら、まさかの冒頭で出てきた自分の死体に入るという
びっくりしたしユニークな発想で、その展開自体は好き。ただ、そこで出てくる亡霊みたいなやつなんなん??
死体に入るのはルール違反って、太古の邪神?が残した禁忌の術にルールもクソもあるのかよ
結局力技で亡霊みたいなやつ従えさせちゃってるし
そんなことできちゃうならほんとにそれこそなんでもありじゃん。
亡霊みたいなやつ、クリスティーヌにも簡単に倒せちゃってるし
別バースクリスティーヌもいる意味謎
完全なる巻き込まれ
◆ワンダを正気に
ワンダ最強すぎて絶対倒せないじゃんっておもったけど、まさかの自分の醜悪な姿を別バースの息子に見せるとは、アメリカちゃん知能犯
正気に戻せて、全ユニバースのダークホールドを破壊できてよかったね
全ユニバースのダークホールド破壊ってどうやってやったんの?そんな都合のいいことそんな簡単にできるの?ワンダでも別ユニバーに干渉できなかったんじゃないの??
オチまでご都合
ユニバースってそんな一括でぴぴっとどうにかできるようなものじゃない概念だと思うんだけど……ご都合光線激しすぎて笑う。
◆クレジットシーン
突然うおおおと苦しむドクター・ストレンジ先生、第3の目開眼
なぜや
なんなんやそれ
かとおもったら全然違うシーンで謎の美女が時空を切り裂き……
その次元のやつなに?転移術ともアメリカちゃんのユニバース移動とも別?なになに?
ストレンジ先生、第三の目開眼して、よっしゃ!みたいになってるけど、さっきまで苦しんでなかったん?なんなの?
次改札気になりもしないし、説明不足だし、さらになんでもありになってるし、もう意味わからん
クソ映画でしょまったく
◆ワンダの扱い
みんなに可哀想可哀想って言われてるけど、そんな感想抱かせている時点でキャラクタを大切にできてないない。
もともと敵として登用して、そこからクリントに勧誘されてアベンジャーズ入りして、ヴィジョンに恋して、恋人を自分の手で破壊して、その悲しみからまた暴走してたくさんの人を苦しめて……
彼女にはMCUバースだけでかなり歴史と人生がある。
世界の危機に瀕して、人を苦しめたり救ったり色々してきたワンダが、こんな典型的な暴走を今更描かれるのはあまりにもキャラ造詣が浅いし、展開力もちゃんちゃら弱すぎると思わざるを得ない。ワンダの再闇落ちと暴走については、かなりユニークな手法でもうすでにワンダヴィジョンで描き切っているし、意外性もドラマもそこで消費され尽くしている。さらにそこに意外性を重ねてヴィランに仕立て上げるっていうのも面白いかもしれないけど、結局描き方が中途半端なせいでむしろ期待外れというか、これなら普通に仲間として戦わせた方が良かったよと思います。
ダークホールドのせいで洗脳されてたってことなんだろうけど、彼女はそれに負けないくらい強い女性だったはずだし、ヴィジョンへの執着がいつの間にかいるはずもない子供への執着になってるのが倒錯してて痛々しい。
母性ってものなんだろうけど、なんというか、本当に全体的に心理的な説得力がないから……
物語の都合で暴走させて、物語の都合で改心させて、それで終わりじゃん。キャラへのリスペクトとか愛を持って作品を作れと言いたい。