理不尽にも程がある。
死刑と冤罪。
当時は10人に1人は冤罪だったというのには愕然とする。
こんな司法では死刑には断固反対する。
名門ハーバード出の弁護士、マイケル・B・ジョーダン演じるブライアンは、弱者の弁護の為にアラバマに移り住む。
1980年代後半と言えば大昔の話ではない。南部アラバマでは黒人差別が横行している。
ジェイミー・フォックス演じるウォルターは、まともな捜査もまともな裁判もなく、司法取引で証言した目撃情報だけで死刑を宣告される。
ブライアンは絶対的証拠を見つけ、証人から真実を導き出したにも関わらずまさかの敗訴。
奇跡の逆転を狙い、この特異な状況を世間に知らしめるしか方法はないと考える。
マイケル・B・ジョーダンに惹き付けられる。内に秘めた怒りと闘志が物語を引き締める。
刑務所で黒人死刑囚に面会しようとするブライアンに、白人看守はまるで囚人のように、ボディチェックという名目で全裸にさせ、侮辱的な言葉も発する。
胸糞悪くなるシーンだけど、ブライアンの怒りを必死に抑える表情が忘れられない。
あからさまな差別、ずさんな司法、そして貧困。
これがアメリカの現実。
「正義の反対は悪ではなく、貧困だ」という言葉も重くのしかかる。