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おいしい家族のLoveAnimal14のネタバレレビュー・内容・結末

おいしい家族(2019年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

まさかの三日坊主で帰還するという、とんでもないドタバタ劇を繰り広げ…「どの面下げて戻ってきとんねん!!」と一斉につっこまれてしまいそうですが…レビューを書かせていただきますね😆


フィルマをやめて解放された気になって、一発目にレンタルしたのが…この作品でした。

主人公の橙花(松本穂香)は東京で働いており、母親の三回忌のため離島にある実家に帰省します。すると驚くことに父親の青治(板尾創路)が母親の花柄のワンピースを着て生活していて、挙げ句の果てには居候の和生(浜野謙太)と結婚すると言いだす始末。状況が飲み込めず苛立つ橙花をよそに、そのことを普通に受け入れている弟の翠(笠松将)とスリランカ人の嫁。和生の娘であるダリア(モトーラ世理奈)。
橙花は自分の常識と周囲の温度差に翻弄されますが、あたたかい島の人たちとかかわっていく中でそれぞれの個性に触れ受け入れていくことで…次第に自分らしく生きていくことの本当の意味を見出していく…といった、とってもハートフル🧡なお話です。

橙花役の松本穂香さん。葛藤しながらも成長していく過程をみずみずしく好演されていました。コメディエンヌとしても、なかなかよかったのではないでしょうか✨

弟・翠役の笠松将さん。大好きなフォロワーさんイチオシの役者さん。まだボクはこの方の作品を2本しか観たことないのですが、とっても魅力的な演者さんだと思っています。これからどんどん主役作品などが増えていくのではないかと、すごく期待しています。この作品でもとても印象に残る佇まいを見せていただきました✨

和生役の浜野謙太さん。言わずと知れた「在日ファンク」のボーカリストですね♬
役者としても、ホントに秀逸な方です。この作品でも、ハマケンだからこそ…なドンピシャの役だったと思います。
在日ファンクもいいですが、役者ハマケンも最高です✨

ダリア役のモトーラ世理奈さん。ボクはこの作品で初めて彼女を知りました。
なんて言えばいいんでしょう、すごく魅力的なひと。薄い靄に包まれていて何かの拍子にキラリと光り輝くような、そんなイメージを持ちました✨
「そばかすなんて気にしないわ…♬」まるで現代に降りてきたキャンディス・ホワイト・アードレーのようでした✨
これから先の彼女の作品も要チェックだな、こりゃ(笑)

そして、なんといっても青治役の板尾創路さん。ボクは「ごっつええ感じ」が大好きだったので、番組の中での「板尾係長」とかすごく好きでした。なんでもない一言でも、彼が口にするとなぜだかシュールで面白いみたいな…(笑)
ここ最近では役者としての顔も完全に定着していますが、いやいや…この作品での板尾さんは素晴らしかった✨
花柄のワンピースを着た板尾創路。普通は笑えそうなシチュエーションなんだけど…泣けるという、ね。
優しい関西弁が心にしみるんですよ。
最高でした✨


ちょっと奇想天外なストーリーではありますが、とにかく優しい作品です。
ある日突然、亡くなったお母さんの花柄のワンピースを着た父親と居候の男が結婚するなんて話を面と向かって言われたら、どうします?
「あ〜、そうですか。」とは、なりませんよね?

だけど不思議なもので、そこに無償の愛があれば…自然と家族になれるんですよね✨
ボクもやや複雑な家庭で育ったから、家族は血だけじゃないって思える派です。
「幸せ」の数なんて生きてる人の数だけあるもので、その幸せを他人と比べるものでもないと思っています。
大切なのは、人と人との強いつながり。
この作品であらためて、それを教えてもらったような気持ちになりました。
….と同時に、フィルマをやめて解放された気でいたボクの胸にもグサリと刺さりました💦

大切な人たちとのつながり…。
「あ〜、どうしよう。ボクは大切な人たちとのつながりを捨てて、今ここにこうして居るんだけど…なんだろう、この心に穴が空いたような感覚は…💦
あの場所はボクにとって大事な場所だったはず。
もう一度、みんなに会いたい。やっぱり会いたい。」

この作品を観終わったときに、涙が出たのは…もちろんこの作品が素晴らしかったからだけど、もうひとつ…自分から大切な場所に背中を向けてしまった後悔の涙も含まれていたのだと思います。


この作品を選んでいなければ、ボクはフィルマに戻っていなかったかもしれません。
この作品と、娘の一言に背中を押されて…恥ずかしながら戻ってまいりました💦


素晴らしい作品に出会えた感謝と、フィルマという優しい場所へ戻れた感謝も含めて満点にさせていただきました✨

ありがとうございました😊
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