Filmarksさんの試写会で鑑賞。
深田晃司監督が自ら脚本も手掛け、不条理を描いた渾身の一作です。
作品自体が重く、エンドロールが終わるまで釘づけにされました。
平凡で真面目な人生を歩んでいた女性が、身内が誘拐事件をおこしたことから、不遇の境地に陥っていく様を描いた作品で、言葉では分かっていても、それを実感できる映像として上手く纏めています。
二つのストーリーを時間軸をずらしてパラレルに進めることにより、視聴者の頭の中に混乱や戸惑いを巧みに引き起こすことにも成功しています。
深田監督は、人間の心理をよくわかっています。
監督の「淵に立つ」でもヒロインを演じた筒井真理子さんの演技も見どころです。
何かを伝えるのではなく何かを感じとる作品で、最後まで独特の雰囲気が続き、見応えがありました。
心に残る作品だと思います。