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ロマンスドールのkuuのレビュー・感想・評価

ロマンスドール(2019年製作の映画)
3.9
『ロマンスドール』
映倫区分PG12
製作年2020年。上映時間123分。
『百万円と苦虫女』のタナダユキ監督が、自身初のオリジナル小説を自ら監督・脚本を手がけて実写映画化した大人のラブストーリー。

不器用さと複雑さをあわせ持つ主人公・哲雄を高橋一生、優しさの中に強さを持つ妻・園子を蒼井優が演じる。

美大卒業後、ひょんなことからラブドール製作工場で働き始めた北村哲雄。
やがて彼は美人で気立ての良い園子に一目ぼれして結婚するが、自分がラブドール職人であることを園子に隠し続けていた。
毎日が平穏に過ぎていく中、哲雄は仕事にのめり込み、園子とは次第にセックスレスになっていく。
そんなある日、園子はずっと胸の中に抱えてきた秘密を哲雄に打ち明ける。

何とも云えん世界観。
ラブドール職人かぁ。
小生は、右手、時には左手は熟練工だけどラブドールもTENGA(オナニー関連商品)も処女で未知の世界というか、なんかアウトロー感があって異世界。
この監督が描くからか、エログロちゅうよりもファンタジー色を感じる作品やと思います。
スケベ野郎の監督やったら、すでにAv若しくはVシネマになってたんちゃうかな。
ところで、小生の青春時代はラブドールをダッチワイフと呼んでた。
辞書によれば、ダッチワイフには二つの意味があるんやけど。
一つは竹夫人(南洋地方で暑熱を軽減するため寝床で使う藤製などの手足載せ用まくら)ってあり、
もう一つは性的な目的で用いる代用女性人形とある。
有名なのは後者の意味である。
余談ながら男色用途のラブドールも昔はあったが伊集院健やったかな。
話はもどり、ラブドールって知ってても意外に製作現場って知らへんかったなぁ。
TENGAはなんかのドキュメンタリーで観たような観てないような。
せやし、知らない世界(今作品がリアルか分からないけど)面白かったかな。
そないなアングラ社長にピエール瀧が演じてて何かビミョーな気持ちと合ってるなぁと思ったかな。
きたろう、渡辺えりも笑わしてくれたかな。
蒼井優が演じる園子と高橋一生が演じる哲雄が出逢い、結ばれ、互いに秘めたこと抱えたまま結婚生活が少しずつすれ違っていく。
二人の行方は?なんて物語やったです。
哲雄と園子の二人はあることがキッカケで関係が劇的に変わってく。
めおと(夫婦)てのは隠してる事有らへんのがエエんか? 
いや、多少の秘密はパートナーの深まりのすぱいすかなぁ。
そりゃ分からんけど、パートナーを思い遣り、相手のタメって云わへで(秘密は)いることが、逆に傷付けてる事とかもある。
パートナー同士が疑心暗鬼にならへんでいるんは、話し合いと、思い出作り、ほんでそれなりの夜の営み(セックス)は必要かななんて考えちまった。
園子が哲雄に対して願った事が、その実現のために哲雄は気張った。
この過程が今作品のヤマでファンタジーみたいな感じはしたかな。
大人の野郎が夜の営みを介してパートナーと共に苦難に向き合って、乗り越える物語でもあるんじゃないかな。
今作品はポジティブ感じがあり、後味爽やかな作品やと個人的に思いました。
淡白路線の高橋一生やし、今作品の北村哲雄役はかなりマッチしてたかな。
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