三郎丸

ある船頭の話の三郎丸のレビュー・感想・評価

ある船頭の話(2019年製作の映画)
1.9
【職業に貴賎なし】

オダギリジョー氏初監督作品。
自然モリモリ満載の映像は素晴らしい!

柄本明を主演でどっしりと中心に据え、
「船頭風情が」
「汚い」
「無能」
と人から言われながら(アカの他人へ直球で文句垂れ過ぎ)も黙々と川を渡し続ける男の哀愁と心の狂気を短いエピソードを通して積み重ねていく。
柄本明氏の特別な存在感が幸いし、見る人を飽きさせることはない。
そして、オダギリジョー監督が懇意とする俳優達に特別出演願ったのか、チョイ役がいちいち豪華です!
【人は、 今より便利なものができた時に、簡単に昔使っていた物を捨ててしまう】
侘しさ、薄情、捨てたものではない人情、田舎と都市の文化や、今の自然についての問題提起は良くわかりました。

(とても厳しく)残念ポイント!!
・この作品のタイトルと柄本明氏を全面に打ち出した広告…!
さすがに第一印象として
【おっもしろそー!】
…とはならないですよ!余程人から注目されるために奇をてらわないとこれは厳しい…
わたしは最近レンタルビデオ店さすがに行きませんが、この作品が、たとえ店内の
【名作コーナー】
に置かれていたとしても手は伸びないかな…申し訳ないですが…
・主人公トイチの狂気の部分は
【塚本晋也の得意とする描写】
をなぞっちまったかなと感じます…
狂気に墜ちていく男を描きたかったのか、謎の男が出てくるファンタジーでいきたかったのかそりゃもう中途半端。
・作品の後半盛り上がりがいまいち…
結局誰も幸福になれないモヤモヤが残るというナゼナゼナゼナゼ!!
話をキレイに置きにいかないで、突き抜けないと!挑戦にならないですよ。
「批判は覚悟のうえ、それでもオレはこういう作品が作りたかったんだ!」
という部分をもっと作品に感じたかった…
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