三郎丸

フォードvsフェラーリの三郎丸のレビュー・感想・評価

フォードvsフェラーリ(2019年製作の映画)
4.3
【無我夢中で生きた先に何があるのか】

新春一発目から快作!
冒頭から男の闘いで心を鷲掴みにされ、緊張感が途絶えることなく、クルマ創りとレースに全てを賭ける男達の姿に胸アツでございます!

お話
1960年代、カーレースといえばフェラーリ!
フォード社は、そのつまらない現実に一石を投じようとする。
ル・マン24時間耐久レース優勝経験があるエンジニアのキャロル・シェルビー(マッド・デイモン)に、ル・マン優勝を命じる。
彼は、個性的な凄腕ドライバーのケン・マイルズ(クリスチャン・ベイル)を抜擢し、ル・マン優勝を目指す。

強者フェラーリに立向っていく挑戦者フォードという設定は映画の題材にもってこいのテーマ。
しかも、フォード上層部(会社)と主人公達(個人)との内なる心理戦にもフォーカスし、作品をただのレース映画にさせない。

マット・デイモン
【この人が出てくる作品にハズレナシ】
と言っても過言ではないくらい良い脚本の作品に出てくる俳優。
本作品でも、信念を貫く男を静かに熱く演じています。
メインレースの際の、レーサーと会社幹部との間に挟まった苦悩する立ち振舞いの演技は特に素晴らしい。

クリスチャン・ベイル
これまた良作にはこの人ってなイメージ。
本作では、家族とレーサーという守るべき存在がありながら、ケガや死と隣り合わせの職業に全力で立ち向かう男を熱演。
運転中の表情が少年のようで素晴らしく良い。瞳がキラキラしてます!
いつまでもレースシーンを見ていたい気持ちになります。

現実は厳しい。
しがらみもある。
それでも、速いクルマを作り続け、記録を達成すべくその世界に魅せられた人は挑み見続ける。
【限界を超えたい】
どこの世界でも夢に向かって努力を惜しまない人に人は魅了されます。

自分が何をしたいのか?人生に燻っている若者にオススメです。
三郎丸

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