レースシーンは言わずもがな良いながらも、
一番良かったのは登場人物たちのふと芽生える「情熱」。
それは主人公2人だけでない。
フォードを罵倒したときのフェラーリの社長のものづくりへの情熱、
フェラーリを馬鹿にされたときにこの挑戦を金を出すから成し遂げろと言うフォードの社長のプライドや
先代への思いや先代から受け継いだ会社への大切な思い、
フォードの担当が言葉では言わないが、
向ける眼差しで主人公2人の作り上げるものへの感じている興奮、
主人公の息子が父に感じる尊敬、
妻が主人公を支えたいと言う思い、
それぞれの登場人物たちも余すことなく情熱を本当にちょっとしたシーンで伝えてくれている。
だから、1シーン1シーンが「あぁ、これが映画だ、俺は映画を観ている」と思わせてくれる。
俺も興奮して情熱燃えてくるじゃねぇか!!!
だからこそ、「フォード vs フェラーリ」と言うタイトルではあるが、
必ずしもフェラーリが敵のようには描かれない。
フェラーリはものすごくものづくりに対する熱い思いがある。
主人公2人はフォードから無理難題を押し付けられ、
言わば下請けとしてこの件を受け入れるので、
フォードが実際に手を動かしているわけではない。
なので、どちらかというと、「フォードvs主人公たち」という構図が映画では描かれるが、
必ずしもフォード側を敵とは思えない(敵は副社長だけ)。
フォード側も社長・担当はとても熱い思いを持っている。
だから、みんなのことを応援したくなるし、
そういった意味でも彼らが集結するル・マンのシーンは圧巻。
久しぶりに、昔子供の時に純粋に観てた頃の「映画」を感じた一昨。
IMAXとかATMSで観なかったけど、
それでも音はとてつもなく良かったから、
IMAXとかだとよりすごいんだろうなぁ。