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DUNE/デューン 砂の惑星のRockoのレビュー・感想・評価

DUNE/デューン 砂の惑星(2020年製作の映画)
3.9
公開日IMAX鑑賞で特典のミニポスターGETです!
50年以上も前のフランク・ハーバートによるSF小説を『メッセージ』や『ブレードランナー 2049』のドゥニ・ヴィルヌーヴ監督が映画化。
過去に公開された映画のリメイクではなく、同じ原作をベースに作り直したリブート版。

この映画は2部作もしくは3部作になる可能性も浮上しており、本日公開のPart1で話が完結していないため暫定スコアです。
(PART2以降が製作されたら上げます)
現在ティモシー・シャラメは『チャーリーとチョコレート工場』の前日譚となる『Wonka(ウォンカ)』の撮影中なんですが『DUNE』Part2は一体いつになるんでしょう・・・
💡Part2の製作が決定!
 2023年10月22日公開予定👏

昨日デヴィッド・リンチ版のレビューに書いた通り、「原作自体が簡単ではない」です。ドゥニ・ヴィルヌーヴ版でも前半はかなり重たく、決して初見者向けに簡単にされているとは思いませんでした。
シーンによってはデヴィッド・リンチ版の方がわかりやすいぐらい笑
ちなみにドゥニ監督はDリンチにフィルムメーカーとしては影響を受けているけれど、今作についてはオマージュとせずリンチ版からは離れて作ったとインタビューで述べています。  
https://theriver.jp/dune-week-day1/

しかし、わかりにくい原作(話よりとにかく名前が覚えづらい)を最大限ヴィジュアル面で活かし、砂漠の美しい映像や衣装、音楽、中世になぞらえた宇宙観や10190年のものとは思えないヘリ、軍隊、騎士道アクション、そして主人公ポールが夢に悩まされる苦悩などは繊細にエモーショナルに描かれており、これが見事に一体化し美しく壮大なSF作品として後半からはサンドワームに呑み込まれるかの如くスクリーンに吸い込まれて楽しめました。
オスカー技術系各部門総ナメしそう、、、

ただ『DUNE』は覇権争いが主軸になるので一族の関係性をしっかり理解しておかないとPart2以降も含めて100%楽しめないと思います。この権力争いも『DUNE』の魅力なの!

―おさらいー
★10190年
各惑星をひとつの大領家が統治する身分制度が敷かれています。
●アトレイデス家
主人公ポール(ティモシー・シャラメ)たちの一族
●ハルコンネン家
アトレイデス家と敵対関係にある邪悪な一族
●フレメン
「アラキス」=通称DUNE砂の惑星に住まう先住民「砂漠の民」

この3つはわかりやすい。

しっかり押さえておいた方がいいのは、砂の惑星「アラキス」をレト・アトレイデス公爵(ポールの父:オスカー・アイザック)に統治するよう命じた”皇帝”の存在。
PART1では皇帝軍サーダカーも登場し、セリフでも"皇帝"とチラつかせるので例えPART2まで時間が空いても忘れてはいけません。

他には、、、

●ベネ・ゲセリット
ジェシカ(ポールの母:レベッカ・ファーガソン)がいた女子修道会。ここの大魔女が”教母”
●クイサッツ・ハデラッハ
ベネ・ゲセリットが人類の交配によって生み出そうと長年画策してきた超能力者。
・・・と色々出てきますが、ドゥニ・ヴィルヌーヴ版でどこまで原作のダークな世界観を表現できたでしょうか???

IMAXでの観賞を強くおススメします!!!


●鑑賞後専用ネタバレあり





◎ポールーティモシー・シャラメ
高貴な美青年ポール役にピッタリ。相手を完全に信用してないような含みの演技も上手かった。最初から最後まで造形美に見惚れた😍

◎ダンカンージェイソン・モモア
やはりアクション俳優ならではの安定感。戦闘力も本物に見える。Part2以降出ないよね・・・?

〇教母―シャーロット・ランプリング
顔隠してるのもったいない!眼力演技は女優一だと思っているだけにやはり目力が凄かった。

△チェイニーーゼンデイヤ
神秘的でミステリアスなはずのチェイニー役に合ってない。
ゼンデイヤは好きなんです。『スパイダーマン』でもドラマ『ユーフォリア』のジャンキー役でも力の抜けた感じで面白いし、スタイルの良さでドレス着たら物凄く華がある。
なのに今作では砂漠でスティルスーツ着せて鼻チューブはゼンデイヤに似合っていない上に、夢で何度も出て来た綺麗なイメージが現実に会ったらただの性格ブスになっちゃった。

他に不満な点は、、、
・夢の描写が最初からしつこかった。
・時に音楽の入り方が速くて、今から何が起こるのかを音楽で安易に想像できてしまった。大袈裟なのが魅力で壮大な作品にマッチするハンス・ジマーでも今作は胸やけした。『マン・オブ・スティール』が一番好きかな。
・ジェイソン・モモアが扉を閉めた凄くいいシーンの後に「扉をロックしたわ!」とかセリフで説明しないで!台無し。カインズ博士役が女性に変わったのも時代感じる。

他にも色々とあるけど、ハルコンネン男爵は遠くから映す短いカットではあったけれど非情さもちゃんと描かれていてよかった。
教母の手に箱シーンはリンチ版の圧勝!!
最先端技術を用いての映像美には圧巻だったけれど、やはり商業的な大作は好みじゃない。
デヴィッド・リンチ版の方が個性強くて100倍面白かったw
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