とりん

DUNE/デューン 砂の惑星のとりんのレビュー・感想・評価

DUNE/デューン 砂の惑星(2020年製作の映画)
3.9
2021年85本目(映画館26本目)

スター・ウォーズをはじめあらゆるSF作品に影響を与えたといわれるSF小説の実写映画化。
映像化不可能といわれてきたが、これまでも映画やドラマで数度映像化されている。しかしそのどれもが原作ファンからはあまり良い評価を得ずに終わっている。
そしてそれから映像技術が発展して、満を辞して再度映画化となったのだ。監督は「メッセージ」、「ブレードランナー2049」のドゥニ・ヴィルヌーブ。
原作も過去実写作も全く触れてこず、あらすじや設定も軽くしか知らなかったレベルで鑑賞したが、とにかくとてつもなかった。映像と音楽がすごいとは聴いていたがここまでとは。

序盤は砂の国に行くまでが描かれるので、こんな感じかーと思いながら観ていたが、砂の国についてから、特に砂漠が描かれると没入感がすごい。
スター・ウォーズやスタートレックと違い、派手なバトルアクションは少なめだし、見た目の煌びやかさもほとんどない。でもダークファンタジーの重厚さがヒシヒシと伝わってくる。これを引き立たせて拍車をかけるのがハンス・ジマーの劇中曲。これがないと映画成り立たないくらいのレベルだし、圧倒された主はここにある。

もちろん映像回しや表現の方法にドゥニ節も感じられたし、SFの中にしっかり人間的な部分を描けてたかな。でもストーリーは個人的にガッシリハマる感じではなかったかも。ただ設定とかかなり凝ってるし、それがしっかり映画でも伝わってきた。設定資料とか読むのは凄く楽しそうだ。
これが実写化不可能とされたことはなんとなく頷ける。でもこれはほんの序章に過ぎない。
本作は原作の第1章の前半部分を描いており、2部作構成になっている。だから本作を観ただけではもちろん完結せず、肝は後半にある。それでも見せ場多かった。
話題のサンド・ワームが出てくるシーンや決闘シーンももちろんだけど、やはりSFバトルアクション好きとしては相手国が攻めてくるところやダンカンが1人で命を賭して複数敵に立ち向かうシーンは熱くなった。

まだまだ謎も多く、ベールに包まれているところや専門用語も多数出てくるので理解しきれてないところとあるので、他の方の感想や解説などを読んでじっくり考察や余韻に浸りたいところ。
超能力設定もただの超能力じゃないんだよな、声で相手を操れたり、予知夢だったり、でもそれはたぶんほんの一部に過ぎないのだろう。相手の素性とかも読み取れてたし、まだまだこれから明らかになっていくのだろう。相手国の大将のフォルムがダサいけど不気味な感じも悪くない。
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