彦次郎

ドラゴンクエスト ユア・ストーリーの彦次郎のレビュー・感想・評価

3.3
国民的RPGゲームの映画版。1992年スーパーファミコンで発売されたゲームが時を超えて映画化という当時のゲーマかリメイク作でのファン向けなのかターゲットが不明ですが、とにかくイベント的に一番盛り上がりそうな作品ではあります。
モンスターデザインは鳥山明氏のままで人間デザインはオリジナル路線という大胆な仕様。ついでに娘もカットするというゲーム体験者を驚かせる設定です。その分公家口調で主人公の怨敵ゲマや奴隷仲間の王子などにもスポットがより当たっています。ピピンについてはカットされても文句の出ない人気の希薄さで同情を禁じ得ません。
ゲームと異なり上映時間の関係から話がダイジェスト的になるのはやむを得ないのは理解できます。賛否両論(恐らく世間的には否が多い)のある終盤については意外性という観点から考えれば斬新で凡百なモノを作るよりもタブーに挑戦しようとする姿勢は涼とすべきと思います。しかし懇切丁寧な堀井雄二氏のシナリオと違い伏線無しでのどんでん返し(一応タイトルで察せられるかもしれないですが)は追体験としての鑑賞者でなくても合点がいかないところです。
観る人によっては壮大なる三世代茶番劇ですが、すぎやまこういち先生の素晴らしい楽曲で感動的になれるのはさすがです。
個人的には鳥山明氏の作画でスカッとする王道RPGアニメが見たかったです。
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