B5版

映画 すみっコぐらし とびだす絵本とひみつのコのB5版のレビュー・感想・評価

3.3
憂鬱な気分を慰めてくれる映画が観たくて、評判の良いこちらを鑑賞。
すみっこぐらしについては、キャラを何かで目にしたことあるな〜くらいの情報量です。
子供向けとして作られてるが大人にも評判がいい、と聞いてましたが納得ですね。

まずキャラクターが可愛い。
ぽてっとした、まんまるフォルムの生き物がわいわいしてると純粋に和む。
そして基本的にすみっこが好きで所在無さげな不憫可愛い設定。
私はたれぱんだやこげぱん世代でして、最近のぐでたまなども同じ系統の愛で方をされてると思う。
日本人の感情には「可愛い=気の毒、可哀想」という平安時代以前の思想が未だに根付いている不思議。

さて物語は絵本の世界に迷い込み、迷子のひよこのおうちを探すすみっこ達の話。
絵本を舞台に、ページとページを跨ぐと現れるおとぎの世界というワクワクする設定と、
大袈裟に言えば生きる世界が違う相手との交流と別離という王道の話を丁寧に描いてあります。
基本キャラが喋らず、ナレーションだけで進行していくのも絵本の世界を映画で表現するためにうまく捉え直している印象。

この聞いたことある声誰だ〜?って思ってたら男性ナレーションはV6のイノッチさんでした。
穏やかで優しいトーン、揶揄ではない皆を見守るテンションのツッコミができる保父さんボイス、すごい合ってた。

子供向けでよくあると感じる、一人がトラブルメイカーで、メンバー内で解決する側とそうでない側が別れてる、というような事がなく、
平等にキャラクターが愛らしく動き回り、あぶれたもの出さず、登場人物を誰もけして邪険にしないルールを徹底しており、
悪という概念のない、毒のない映画でした。
子供に対する真摯な姿勢の映画は大人のやつれた心に刺さるな…素敵です。
B5版

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