とりん

サムライエッグのとりんのレビュー・感想・評価

サムライエッグ(2018年製作の映画)
3.9
2020年93本目

スタジオポノックが贈る短編アニメーション映画。
極度のたまごアレルギーに悩まされる息子と母の愛を描かれる。

たった16分だけど母と息子の絆が描かれていて、アレルギーと向き合い戦う姿にグッときた。
最期の治したい、頑張ろうと母子で誓うところなんて泣いてしまいそうになる。
アレルギーを持った人って自分が口につけるもの全てに気を配らなければいけないし、極度になると他人の食べたものに対しても(アレルギー物質が含まれる唾がとんでも危ないので)気を配らなければいけない。
特に卵や乳製品とかになるとほとんどの料理や加工物に含まれているからかなり大変である。
主役の男の子はたまごアレルギー。
乳児の時に離乳食に含まれるたまご成分で発症してから、何度も何度も病院へ連れてったり、救急車を呼んだりしていた。
アレルギー以外はいたって普通の子どもだ、むしろ運動神経やテストもできるところがちゃんと描かれている。
アレルギーさえなければとも思うが、こんな母と子の絆を見るとそれも乗り越えるための試練として与えられたものではないのかとさえ思ってしまう。
絵のタッチが柔らかいのも凄く良くて、最初からグッと惹きつけられた。
お母さんがダンスをやっているのだけれど、そのシーンもヌルッとした感じで、なんか昔のクレヨンしんちゃんを思い出したのだけれど、独特のタッチで描かれていたのも印象的。
大会に出場するために頑張って練習している姿を見にきた息子が見に来ている時も、必死に練習する最中で息子が不用意にクッキーを食べようとしたのを死んでしまうやろと止めるシーンも、どんな時も注意を払っていることがわかる。
他にも最後のアレルギー発症シーンでも、薬を打つ注射器を子どもにもわかりやすい"えんじのペン"と表現しているのも細かいなと思った。
エンドロールではしっかり林間教室にも行けたようでほっこりした。
とりん

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