このレビューはネタバレを含みます
剣士机竜之助が奉納試合で討ち果たした宇津木の妻お浜を連れ去り宇津木の弟兵馬に追われるお話。いざ兵馬と斬り結ばん、というところでまさかの「完」!
清々しいまでに外道な竜之介。同情の余地は微塵もないダークヒーローが素敵。影を際立たせるような構図がそれを引き立てていました。「音無しの構え」がカッコいい。ラストシーン、錯乱からスッと構えが収まるさまは最高でした。
冒頭からいきなり老人を切り殺し、娘の元に舞う懐紙と、人物にも描写にもかなりワクワクさせられ、終盤の盛り上がりも凄かったのですが、中盤に色々と詰め込み過ぎてグダグダな感が出ていたのが残念。新撰組、要るのかなぁ…。
竜之介のハマり方が凄まじく、終わり方は微塵も納得できませんでしたが、続きを見ねばなるまいと思える名作でした。