塚原直彦

ラストナイト・イン・ソーホーの塚原直彦のレビュー・感想・評価

4.1
待ってました我らがオタク監督、エドガー・ライトの最新作。
飛ぶ鳥を落とす勢いの若手女優二人を主演に迎え、これまでとは趣の違うどシリアスなサイコロジカルホラー。

前作「ベイビー・ドライバー」(何と5年前!)でもキレッキレの演出を披露してくれたが、本作では更にその精度を上げネクストレベルへ。
とは言え作品全体に1960年代当時のイギリスへの愛が溢れまくり、彼のこだわりから来るオタクっぷりは今回も十二分に発揮。
脚本的にはやや整合性の取れなさや感情移入のしずらさも残るが、ウルトラCの捻り技にて着地させる豪腕も披露。

ヒロイン二人は本作で更に大きく羽ばたくのは間違いなく、ライト監督の審美眼も相変わらず天晴れ。
とんでもない量の過去作のオマージュの上に積み重なり、デジタルとアナログを混濁させた映画愛に溢れる一本。
塚原直彦

塚原直彦