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ミッドサマーのnisuiのネタバレレビュー・内容・結末

ミッドサマー(2019年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

身内に不幸のあった女子大生が恋人に誘われて恋人の友人の故郷であるコミューンを訪れる話。
今まで見た映画の中で一番ってくらいおぞましかった。天国の皮をかぶった地獄。グリーン・インフェルノならぬホワイト・インフェルノ。主人公たちをストレートに食料としか見てなくて騙したりしない分グリーン・インフェルノの方がまだマシと思えるくらい。陽射し降り注ぐゴア描写も強烈。
次々と姿を消す外部の者たちの行く末は容易に想像できたけれど、「適齢期には一旦村を出る」「血が濃くならないように外部の者を招いている」などの現代的で常識的な考え方や、女王を決める儀式のいわれに「生贄」はないものだとずっと思ってた。だからそのものずばりな「生贄」という言葉を使った種明かしに絶句。多くの外部の者を連れてきてくれたと表彰されるペレの姿にハナから騙す気満々だったのかと。
「大切な家族はもういない」「恋人の気持ちが自分から離れていることに気付いている」「恋人の裏切り」「思いに寄り添ってくれる人たち」どれも彼女が留まることを決めた説得力としてじゅうぶん。自分に想いを寄せてくれる人もいるしね。
最後の生贄に恋人を選んだのは単純に裏切りへの復讐だと思ってたけど、「この地で永遠にあなたとともに」ということかとも。あの笑顔は「ざまあみろ」という類のものではない。
でも彼女がラストの段になってそんなことが考えられるほどの正気を保っていただろうか?というそもそも論に至る。
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