モクゾー

ミッドサマーのモクゾーのネタバレレビュー・内容・結末

ミッドサマー(2019年製作の映画)
1.5

このレビューはネタバレを含みます

監督の作家性を推すという使命に飲み込まれてしまい、どのジャンルとしても面白さを見失っている作品。


ホラー映画としては構造的に成り立っておらず、スリラーとしては刺激がなく、ショッカー、スプラッターとしては表現に乏しい…監督の作家性に引き摺られすぎてエンターテイメントの基礎を見失った作品だと思う。
主人公を取り巻くドラマとしても説得力に乏しく、のめり込んで見ることはできない。心の隙間をカルト宗教が埋めてくれたことで、主人公がそこに同化していく…と言うオチではあるが、主人公が抱える問題が個人的すぎること、また、共感を生まないほど"悲劇然"としすぎているため、そりゃ、何にでもすがりたくなるんでしょうね(ふーん)と言う程度の感想しか持てない。


そして、カルト宗教的コミュニティも、もしかしたら自分も傾倒してしまうかも…と思わせるような魅力は足りず、え、この田舎の習わしすごく嫌だし不快なんだけど…早く帰ればいいのに。。以上の意見が出てこない。

強いて言うならば、ドラッグ描写やコミュニティの作り込み、映像については時折面白さを感じたが、その描写の身で引っ張るには明らかに尺が長すぎてしまい、飽きの方が優ってしまう。

本作は、尺を90分以内に収めて、よりカルチュアルディファレンスに特化したスリラーに仕立てることができれば、後世で、魅力的なカルトB級ムービーとなることもできるかも…


作家性が目立ってバランスを崩している作品としてはレフンのネオンデーモンを思い出しました。シャマランとかフォントリアーならもっとうまく料理できるのでしょう。

態度としては真面目には作ってると思うので、1.5点。