ようやくみました。
「異文化の田舎に行ったら〇〇でした」系ホラーですが、
その定石を外さずに描きつつも、
ジャンルを横断して、人との不安定なつながりから生まれる不安な心理状態から解き放たれるまで。
そのありのままな恋愛映画としても観れるということですが、、
以下、ネタバレあります。
笑える描写も多々ありましたが、
とにかく気味が悪い映画です笑
内容として恐ろしくおもえたのは、
入口がしれっと、あっさり風味ながら、
「どこか変。」
と、小さな違和感を抱いたとき、すでに、ハナから逃られない。なにも抗えない状態にあったと、あとで気付かされる点ですかね。。
生贄を探している人間が友人のフリして近寄ってくるシチュエーシュンは地味につらいです。。
ラストについては、
色々なしがらみから解き放たれて（というか断絶されて）全く疑問や不安を抱かなくなる過程は「ありのまま、安心できる世界を見つける」一種の癒しではあります。
しかし同時に、自分がもっているいままでの価値観、アイデンティティがくずされてゆき、全体主義的な共同体の意思に飲み込まれる様はそのまま文字通りカルトの入り口に飲み込まれてゆく過程をのぞき観ているかのような気味悪さがありました。
ここに陥った時に彼女を救い出してあげたい願うような存在が既にいないことを事前に提示されているのでより、この後の彼女自身は幸いか不幸かといつまでも考えてしまいます。
構造や各人物の心理描写など全部をふまえて、違う角度に変えながら繰り返して観たくなる映画でした。
