Hiro

ミッドサマーのHiroのレビュー・感想・評価

ミッドサマー(2019年製作の映画)
4.0
“ただリラックスしてるだけだよ。"

自分の体温が下がるのがはっきりと
感じられた。そうです、自分もある
村の“祝祭”から帰ってきました。
おぞましさの“お土産付き”です。

確かな映像美、細やかで濃密に考え
抜かれたであろうプロット、芸術的
な映像にマッチする不気味な音楽、
極め付けは美しくも“残虐”な描写。
もう、ほんとに勘弁してください。

妹を不慮の事故で失った主人公。
恋人や友人と共に”90年に一度の
祝祭”を訪れる。その村は住人達が
陽気に歌い踊る楽園のように思えた。
しかし次第に奇妙な空気が漂い始め
彼女の心は“かき乱され”ていく。
これに名前をつけるなら前代未聞の
”フェスティバル・スリラー”作品。

例えるなら、薔薇の様に”美しさの中に
棘がある”あの世界観。この作品の色彩の
明るさは“笑顔に潜む恐ろしさ”を映すかの
ようで、無意味に観えた行為も紐づければ
全てが繋がり“ある感情”に辿り着くための
必要不可欠な順序を踏んでいると言える。

そう、異常性が加速すればするほど
不謹慎にも“笑えて"きてしまう。

この作品は一度観て終わりなどではない。
公式サイトの“解説や考察を見る”楽しみ。
つまり、監督から“恐怖のお土産”を渡され
持ち帰ってからその箱を“紐解く”という
楽しみがあると個人的に思っている。

やはり女性と関係を築く上で必要なのは‪
アドバイスなどではなく“‪共感性”なのか。

p.s.
主人公は“彼氏依存”から脱却し、新しい
家族も出来たとなればハッピーエンドと
言えなくもない。メンヘラの主人公が
“笑顔”になれたのならこれもある意味で
救済なのか。これからは自分も“満面の笑み”
でより多くの人にこの作品を布教していこう。
Hiro

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