ペコリンゴ

いざなぎ暮れた。のペコリンゴのレビュー・感想・評価

いざなぎ暮れた。(2019年製作の映画)
3.5
記録。
運命だと思うのはもうやめた

ヒューストン国際映画祭、モナコ国際映画祭など世界41の映画祭に選出され、数々の賞を受賞したらしい笠木望監督の一作。

借金で首が回らない元No.1ホスト ノボル(毎熊克哉)と、その恋人のキャバ嬢ノリコ(武田梨奈)。新宿から島根県美保関に弾丸旅行しにきた2人であったが、ノボルにはノリコに隠している目的があった…。

やたらと受賞してる割にやたらと観てる人が少ないことに矛盾めいたものを感じますね…。

ま、それはさておいてノボルの目的は田舎の年老いたお婆ちゃんにお金を貰うこと(公式曰く「親戚へのオレオレ詐欺」)。

ノリコとの結婚挨拶といったていでお婆ちゃん家に上がり込んで割と難なく父親の通帳とキャッシュカードをゲットします。

が、腹違いの弟の妨害にあったりだとか、借金取りっぽいその筋の人が定めたタイムリミットが迫っていたりだとかの中で、お金を引き出すために暗証番号を探すべく奔走する、そんなお話。

元の企画は15分の短編で、結局90分未満の小品ではあるものの長編化。しかしながら上々のテンポで進むストーリーに間延びは感じません。

いうて展開されるのは何処となくゆるいコメディ(通称ゆるコメ)なんで多くを期待するのはオススメしませんが、なんと本作の撮影期間は3日間とのこと。3日で撮ったにしては悪くないでしょう。

舞台となる「神様に一番近い港町」こと美保関に神々しさは感じなかった(無礼)けども、寂れた田舎町に不似合いなノボルとノリコの出立ちや、動機の割にホッコリめな結末なんかは好きかもです。

武田梨奈のキャバ嬢姿が似合ってたので+0.1点したのはナイショ。