🔸Film Diary🔸
▪️本年鑑賞数 :2022-358
▪️死ぬまでに観たい映画1001本-※※※
🖋人の気持ちが温かすぎて自然に涙が溢れる、そんな作品でした。香港を舞台に外国人メイドの問題を絡めながら、事故により不自由を強いられ、家族とも疎遠になってしまったチョンウィンと、家族のためにカメラマンという夢を諦めて香港へと出稼ぎに来たエヴリン。そんな2人が失意のうちに出逢い、お互いを尊重し合い、夢を応援し合い、少しずつ前へと踏み出していくそんな姿を繊細に美しく、そして温かく描いた作品です。
🖋2人の出逢いはとても運命的。言葉の違いをお互いに学び、コミュニケーションをとりながら、閉ざした心を溶かしていく、そのプロセスがとても繊細で温かい。そして心が解放されることによってお互い、自由で希望に向かって生きていくチカラが生まれて来るそのすべはほんとに素晴らしい。。。
🖋題名は言葉の如く「still human」そして「淪落」。「淪落」という言葉は「落ちぶれること、落ちぶれて身をもちくずすこと」。そんな所から心を解放して、人間として夢や希望を持って生きることの大切さを見事に伝えてきます。
🖋主人公の2人、チョンウィンとエヴリンの日常での幸せな表情、食事や散歩、そしてカメラの撮影。。。その日常に心温まります。そこに香港の美しい四季の自然を映像として折り込むことによってよりエモーショナルな仕上がりに。。。そしてお互いがお互いの夢や希望のために尽力していく姿には人間の美しさと温かさが見事に描かれています。
🖋本作、創作ではあるもののオリヴァー・チャン監督が実際に街で見かけてインスピレーションを受けた光景や、母親の介護体験など、現実の断片を組み合わせた物語です。「境遇や文化が違っても、誰もが、愛や欲望、夢など、人生における美しいものを求めているのでは?」そんな問いかけをもとに人が夢を抱くことの大切さを描いています。
🖋本作で主演のアンソニー・ウォン。本作にほれ込んで、なんとノーギャラで出演したそうです。半身不随という難役を見事にこなしています。主演女優は映画初出演のフィリピン人女優クリセル・コンサンジ。
🖋ほんと、とても心が温まる作品、おススメできる作品です!!
😌Story:(参考: 公式サイト )
突然の事故で半身不随となってしまった男、リョン・チョンウィン(アンソニー・ウォン)。妻とは離婚、息子とも離れて暮らし、人生に何の希望も抱けないまま、ただただ日々を過ごしていた。妹ジンイン(セシリア・イップ)との関係もうまくいかず、慰みは唯一の友達である元同僚のファイ(サム・リー)との会話と海外の大学に通う一人息子の成長だけ。そこに若いフィリピン人女性エヴリン(クリセル・コンサンジ)が住み込み家政婦としてやってくる。広東語が話せない彼女に最初はイライラを募らせたチョンウィンだったが、片言の英語で会話をしながらお互いに情が芽生えていく。やがて、エヴリンが生活のためにやむを得ず写真家への道を諦めたものの、今でも心の中で夢を追い求めていることを知ったチョンウィンは、彼女の夢を叶える手助けをしようと思い始めるが…。
🔸Database🔸
・邦題 :『淪落の人』
・原題 :『淪落人Still Human』
・製作国 : 香港
・初公開 : 2018
・日本公開 : 2020/02/01
・上映時間 : 112分
・受賞 : ※※※
・監督 : オリヴァー・チャン
・脚本 : オリヴァー・チャン
・原作 : ※※※
・撮影 : デレク・シウ
・音楽 :
・出演 : アンソニー・ウォン、クリセル・コンサンジ、サム・リー、セシリア・イップ、ヒミー・ウォン
🔸Overview (参考:映画. com)🔸
半身不随となり人生に絶望した中年男性と、家族のために夢を諦めた出稼ぎ家政婦の交流を描いたヒューマンドラマ。事故で半身不随となったリョン・チョンウィンは、人生に何の希望も抱けないまま日々を過ごしていた。妻とは離婚、妹との関係もうまくいかず、楽しみは唯一の友人である元同僚ファイとの会話と、海外の大学に通う息子の成長だけ。そんなある日、若いフィリピン人女性エブリンが住み込み家政婦としてやって来る。広東語が話せない彼女にいら立ちを募らせるチョンウィンだったが、片言の英語で会話をするうちに、互いに情が芽生えていく。やがて、エブリンが生活のために写真家の道を諦めたことを知ったチョンウィンは、彼女の夢を叶える手助けをしようと考えるが……。「インファナル・アフェア」のアンソニー・ウォンが主演を務め、第38回香港電影金像奨最優秀主演男優賞など数々の賞に輝いた。2019年・第14回大阪アジアン映画祭に「みじめな人」のタイトルで出品され、観客賞を受賞。