コロナの前から観たいと思っていた作品をようやく観ることが出来ました。
題名「淪落の人」となっているけれど、全然そうじゃない。
そりゃ、裕福な生活もしてないし、事故で下半身不随で家族とも別れて最悪な感じだけれど、それ以上に心優しく自分以外の相手の事をおもんばかる主人公にやられちゃいます。
主役のチョンウィンを演じるアンソニー・ウォンが秀逸。そして彼の脇を固めている人たちも凄かった。
チョンウィンに助けてもらってから常にサポートしてくれているファイを演じているのがサム・リーだった。フルーツ・チャンが制作している関係でかな?とても良かった。
そしてチョンウィンの実の妹役には最初「ん?どこかで観たことある人…ひょっとして…」と確認したらやはりそうでした、なんと葉童(イップトン/セシリア・イップ)じゃないですかぁ~。本当に久し振り。
そして、屋台の料理屋のおじさんってフルーツ・チャンじゃない?
皆ちょっと心がギスギスしているんだけど、本当はそれぞれを愛し、大切に思っていることが何気ないシーンにたくさんちりばめられていました。
フィリピンから出稼ぎにやってきたエヴリン、フィリピンでは珍しく離婚訴訟をしているみたいだけど、フィリピンはカソリック信者が多いらしく、宗教的に離婚はしてはいけないみたいで、離婚したくても出来ない人は多かったりするみたいですですが、このエヴリンは大金の慰謝料を払ってでも別れたいというだけでもすごい女性。
最初は戸惑いぎくしゃくするチョンウォンとエヴリンだけど時間をかけて少しずつお互いを理解してっていく様子、エヴリンとフィリピンから来た家政婦仲間たちとの関係、チョンウォンとアメリカに住む息子との関係、チョンウォンと妹のジンインとの関係、もう何度も涙腺が熱くなったことか…
夢を持つ人をどこまでも応援しようとするチョンウォン。
自分の夢とチョンウォンとの生活どちらを選択すればいいのか悩むエヴリン、エヴリンの夢を通して自分も何かできることがあるのではと思うチョンウォン、チョンウォンと息子のチュンインとの関係もこれまたいい。
今の殺伐とした香港とは違う香港を観ることができます。
本当にたくさんの人に見て感じて欲しい作品です。