かつきよ

魔女見習いをさがしてのかつきよのレビュー・感想・評価

魔女見習いをさがして(2020年製作の映画)
3.7
●作品のクオリティは高い

●対応する間口は広いけど、クリティカルヒットする層は確実に絞られる

●おジャ魔女どれみは必修ではないが必要

●ストーリーはテンプレでややものたりない

「内容的に、おジャ魔女を見てなくても楽しめると思います!」
系のレビューを度々目にします。でも、個人的には未履修の方にはお勧めしません。

映画の中では、おジャ魔女どれみは作中作品という扱いで、主人公達女子三人の共通の大好きな作品、と言う立ち位置です。
なので、主人公3人の人間ドラマに関しては、確かにおジャ魔女どれみを見ていなくても理解できたり共感できたり、面白さを感じることはできると思います。

でも、この作品の「ウリ」は、「自分たちもおジャ魔女どれみを見ていた世代(初代から〜再放送で問わず)」というのが前提で、より共感度の高い状態で、同じような背景を持ち、近しいライフステージに立つ主人公達の社会的な葛藤や苦悩、恋愛、友情の人間ドラマを楽しむところにあると感じました。
加えて、ストーリーそのものを押し出して「感動させよう!」「面白いと思ってもらおう!」というよりも、どちらかと言わずともやはり「ファン向けに作りました!」という政策意図の方が濃く強く感じられました。3人の設定や、話運び、ピックアップされているストーリーの随所に「ファンなら必ずアッ!と思う」原作と対応する箇所があるようですし、実際私はそれが拾え無かったどころか、まさかあそこもここも対応していたなんて!?とファンの人の感想ブログを読んでから知ってびっくりしたくらいです。
なので、自身に「おジャ魔女どれみを見た経験」、もっと言えば「ネタを拾えるほどのファン知識」が抜けていると、共感深度がかなり下がり、満足度の深度が下がると思いましたし、「普通に面白かった」とかその程度の感想に落ち着いてしまう気がします。

たとえば、作中作品はおジャ魔女どれみでなくても架空の作品でも話は成り立ちます。
むしろ、存在しない架空のアニメにしておいた方が、誰にでもある「子供の頃見てたニチアサアニメ(明日のナージャ、プリキュア等)」を個人個人で当てはめることができる様になるので、より幅広いターゲットを狙ったマーケティングができますよね。
それを、あえで「おジャ魔女どれみ」とかなり絞った設定で徹底し、スタッフの再集結を謳っているというのは、それだけ深度が高く、専門性と満足度の高い作品にしようという制作意図と、メインターゲットへの熱意があるわけです。

実際、おジャ魔女どれみという作品の詳細な解説や、用語の説明がなく原作ネタがバンバン出てきます。これは、サブターゲットへの配慮を極力スリムにしつつ、メインターゲット(おジャ魔女どれみを知っている視聴者)へより鋭く切り込んだ作風だからこそですよね。

おジャ魔女どれみを知らない人は全く楽しめない、見ない方がいい、と言うわけではありませんが、「世代の違う女子三人が共通の趣味で出会い、お互いに影響を与え合いながら苦難や困難に立ち向かっていく人間ドラマ」作品はこの世にたくさんあるわけです。
その中から、わざわざおジャ魔女どれみに馴染みのない・知らない人がこの作品を選ぶメリットは少なく、この作品の魅力やメッセージが最大限楽しみきれない結果に終わりかねないと思いました。

なので、特別な理由がない限り、おジャ魔女どれみ未履修の方にはこの作品はお勧めできません。

●おジャ魔女どれみの続編ではない

とはいえ、ファンなら誰しもが楽しめる映画かと言われると、それも絶妙なところ。
公開前からの論点ですが、「主人公はどれみちゃんたちではない」問題ですね。
おジャ魔女どれみという作品は根幹に関わってくるけれど、飽くまでおジャ魔女どれみは作中作品という扱いで、アニメの世界の続編の映画では決してない、というのも論点。舞台は現代社会、現実世界(完全に私たちのいる世界というよりは、並行世界って感じでした。)なのは、「いや、そうじゃない!」って思う人もいるんじゃないかな。
おジャ魔女どれみ本編アニメの世界観や設定を引き継いだ続編(又はスピンオフ)が見たい人にはあまりお勧めできないわけです。

加えて、ターゲットは幅広くとっている印象ですが、それでも結構大人向けの内容。魔法少女アニメ真っ盛りの子供世代には少し現実的すぎるので、仮に「娘に最近おジャ魔女を履修させました!」となっても、その子供と親子で一緒に見て楽しめるエンタメ的な映画では無かったです。
童心に帰って日朝アニメのノリを楽しみたい!という人も、鑑賞には注意が必要です。

●ターゲット層

主人公3人が女性で、思い切り女性視点で描かれますので、女性向け寄りの作品です。
男性が見ても面白くないわけじゃないけれど、感情移入とか共感性っていう点ではどうしても劣ると思います。
初代おジャ魔女どれみ世代は現在30前後かと思いますが、途中参入や再放送参入組世代も網羅し、主人公3人は世代がバラついていたのがよかったです。
各年代のファンが世代を超えて仲良くなるのにはほっこりしますし、世代別の壁や悩みが描かれているので深みもグッと増したと思います。

●ストーリーの完成度は

純粋なストーリーは、正直中の下、くらいかなと思いました。
作品全体を含めての評価は高クオリティで、満足度が大変高い作品であったことに違いはないのですが、ファン向けの要素を削ぎ落として、ストーリーだけ考えたら、少し弱いと思います。
ラストの落ちも、ストーリー的なカタルシスとしては定番で、ご都合的な部分も多いし、どちらかというと平均的な終わり方だと思います。ストーリー的などんでん返しとか、意外性、畳み掛けるような訴求力よりも、どれみファンに向けて、演出面に全力投球した形でした。
全体的に不足があるストーリーではないのですが、気を衒わないあるあるなストーリーにドレミファン向け要素を肉付けしていったような映画だと感じました。

一点気になるのは、序盤は少し辛いシーンやイライラするシーンが多いところ。
最後はもちろんハッピーな雰囲気で終わる映画なのですが、後半のカタルシスのためとはいえ、前半は特に主人公三人が行き詰まったり、うまくいかなかったり、とにかくヤキモキさせられるシーンが多かったです。
あ、こういう系の映画苦手なんだよな……と思ってしまうシークエンスが長く、解決編はあるものの、それを補って余りあるほどスカッとしたかと言われれば個人的には絶妙なところでした。

●おジャ魔女どれみネタ

先述した通り、特に作品概要の説明もないまま、おジャ魔女どれみの作中用語、人物名、作中設定の話題が出たりします。どれみ未履修には若干不親切だと思いますが、そもそもファン向けで視聴前提メインで作られているので、既知の説明で無駄に尺を取ったり、テンポが悪くなったりするよりもずっと良いと思いました。また、観客を意識した「わざとらしい」演出(不自然な解説など)を削いだことによって、より自然で、没入感の増す作品に仕上がっていたと思います。
私自身はおジャ魔女の記憶が遥か昔で全然拾えなかったのですが、各キャラクターの設定はもちろん、作中の舞台となる各ロケーションではそれぞれ原作に対応したテーマが描かれているようで、原作ファンの感想を読むと皆同じシーンで同じ原作アニメの話数、シーンの事を話して納得や興奮をしていましたので、その辺りも含めてガッツリFOR FAN作品だなと思いました。ファンだったら、あっ!とわかるネタが満載なのは、やっぱり嬉しいだろうなぁ

●一番素晴らしいのはアニメのクオリティ

そこまで根強い原作ファンではない私ですが、そんな中でも個人的に1番見る価値があると強く感じたのは、アニメーションのクオリティです。
キャラクタデザインや雰囲気がそのままおジャ魔女どれみ調なので、それだけでも懐かしさだったり、独特のワクワク感が感じられて◎
大人向けのストーリーとは裏腹に、ニチアサの元気なノリで快活に動くアニメーションは見応えありです。
また、各カット演出も非常に芸術点が高く、光と影のコントラストが際立つ印象的なカットが多かったです。カット割や作画にはかなり拘っていると感じられるので、アニメ映画としての映像クオリティだけで一見の価値ありと感じました。

●声優さんの演技は少しだけ気になる

とりたてて喚くほどでのことでもございませんが、主演3人は声優起用ではないはず。
このことに関しては公開前に散々議論されてきた様ですが、結局は「おジャ魔女アニメの中の世界ではない、現実がテーマだから、声優さんではない方の起用の方がリアルだと感じた」「そもそも原作もベテラン声優を起用していたわけではない」「ファンでもない上手い声優に演じてもらうよりも、愛のある原作ファンの芸能人起用の方がいい」という意見で肯定派が多い気がします。

個人的には、うーん、ノーコメント。
棒読み、というほどではないのですが、クセのある不慣れさが目立つ演技で、ちょっとだけ劇中気になってしまいました。もちろん先述の意見やコンセプト的な点でも、芸能人起用は〝アリ〟だとは思うのですが、今プロで活躍している声優さんにも相当なファンはいるはずだし、むしろそれで声優を目指すきっかけになった人、今でも尊敬する先輩を初めて知った人とかもいるんじゃないでしょうか。上手くない方がリアルに感じる人もいるのかもしれませんが……それも含めて声優さんは「プロフェッショナル」なので、他の声優さんを起用していても「リアリティに欠ける、遠く感じた」という意見は出なかったはず。
ドラマ作品ならまだしも、そもそもアニメーション作品として作られている以上、ある程度のクオリティは担保して欲しかった、と思う自分もいます。


レイカちゃんは、キャラクターとマッチしていて比較的上手いなと思いました。はつらつな感じは、どれみちゃんを彷彿とさせたし、作品のノリにもあってた気がします。ソラさんもおとなしい感じの演技ははづきちゃんを彷彿とさせる感じで概ね好印象でした。ただ、酔っ払ったシーンで捲し立てる雰囲気のところは、演技力が必要な特殊なシーンだったと思いますが、画面と声の乖離が激しく感じられ、「演技」っぽさが強く出てしまって少しそわそわしてしまいました。個人的にレミ役の声優さんが全体的に聞いてて引っ掛かりが多かったです。声質は綺麗でレミさんのキャラクタとは
とてもマッチしていたと思うのですが、他2人に比べてもそうですし、共演キャラが石田彰なのも災いしてか、演技力が少し悪目立ちしているように感じられてしまいました。声優さんの演技力に敏感な方は特に注意です。

●総評

クオリティの高いアニメーション、丁寧に作られたことがわかる安定したストーリー、ファン向けにふんだんに施された溢れんばかりのどれみネタ、どこをとっても良質な映画!
ただ、琴線に触れるかどうかは、自分が映画のターゲットかどうかの部分に大きく左右されます。
内容も大人向けなので、そのあたり含め間違った期待を持たなければ◎
世代のガチファンで、思い入れが強ければ強いほど泣けるんじゃないでしょうか。
ファンの方は是非見てみてください!



※以下ネタバレ有り感想






















※以下ネタバレ有り!









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●魔法はあったのか?

映画の舞台になっている現代日本ですが、私としては、そのまんま私たちのいる現実を描いているのではなく、どれみが作中作品として親しまれる並行世界だなと感じました。
MAHO堂のモデルとなった建築がそのまま残っているのなんかは、現実との大きな違いですよね。

それに加えて、あの世界には、「魔法」はあったんじゃないかなとも思いました。

3人の悩めるどれみ女子が偶然同じタイミングでMAHO堂に集まった、3人が3人とも魔法玉を持っていた、というのは、まあ作品の最低限のご都合で流してしまってもいい要素だと思うのですが

さすがに、魔法玉にお願い事をしたら、ありえないほど転がっていったりなんだかんだして最終的に父親に会えるというのは……〝魔法〟と言わずしてなんと呼べばいいのか……
こんなリアルテイストでオトナな話なのにそこそんなご都合でいいんだ!?笑、と思わず笑ってしまいました笑
しかし、全てがご都合や魔法で解決するわけではなく……

最終的には、どれみちゃんは魔法を使わなくても、みんなが来てくれるのは魔法みたいだった……とか
信じる力が魔法とか、友情が魔法とか、人と仲良くなる力が魔法とか、現実にはアニメみたいな魔法は無い…けど、魔法のように素敵な力は私たちみんな持ってる。
というのが多分オチのメッセージですよね
そしてそれは、多分おジャ魔女どれみシリーズ全てを通して描かれてきたことだったはず。
おジャ魔女ドレミファンで、その考えや描写、価値観を、鑑賞体験と共に積み重ねてきたファンからしたら、それを現実世界と照らし合わせるように、自身と重ね合わせるようにして再提示された今作はグッと胸にきたと思います。
ただ、この映画単体ではどうだったというと、なんというか、あまりにも端的すぎてあっけらかんとしてしまいました。飽くまで「私としては」ですが……。

ご都合的なところと、現実的な部分の描写配分が好みでは無いというか……どちらにも徹底されておらず、中途半端に感じられてしまったんです。

●ソラさんのストーリー

発達障害の生徒に関する下りや、教師を目指すことについてのアレコレはちょっとノーコメントにしたい感じでした。個人的にはそういったセンシティブな話は苦手で、あまりやりすぎるとすぐ「感動ポルノだな」と思ってしまいます。今回はそんなことは思わなかったのですが、だからと言って感動したかと言われるとうーん……という感じ。ソラさん頑張れ!とは思いましたけど

特にレイカちゃんの話はこたえました
お父さんに会えるところまではバチクソにファンタジーでご都合で、作中屈指のありえん展開なのに、会えた後の描写グロテスクすぎません?
お父さんはお父さんで胸にしこりを残したまま死ぬことになるだろうし、レイカちゃんはレイカちゃんで完全に吹っ切ることなんて無理だろうし……
今の家族が帰った後、せめて2人きりで話す時間くらい設けても良かったんじゃないかなと思うわけですが、それも描写せず。
最終的に、レイカちゃんの話って何も解決しないまま、心理的には前向きになりました!気が済みました!って思い込むみたいな中途半端なところまでしか進まないんですよね。
家族がいる前じゃそりゃ、知らない人のフリをするしかないし、

●竜一くん関連

女子3人が、現役世代、再放送世代、あとからはまった世代と、様々な世代のどれみ女子をピックアップしていたのも良いなと思いましたが、それに加えて、おんぷちゃん推しの男の子が現れた時は、どれみ〝男子〟まで網羅するなんてすごい!と素直に思いました

ただ、この竜一さんのストーリーがまたもやるというか生々しいというか。。。

恋愛のストーリーに突然切り替わったことに関しては、こんな感じのミーハー展開嫌いじゃないので面白くなってきたぜ!と思いました
実際は、修学旅行の恋愛絡みのストーリーと対応した展開で、やっぱり原作ファンはおおっ!と思う見たいですね。
竜一くんカッコ良すぎるし、爽やかだし、棚ぼたのようなイケメンキャラがきたぜ!と思ったのも束の間、過去にはSNSで炎上経験があるとか、3人との記念ショットを無許可でSNSにあげちゃうとか(しかも加工の仕方が健やかに気持ち悪い)なかなかにパンチの効いたキャラクタ。
一見まともそうなのに、割と地雷ありな感じ、なかなかにリアルでちょっと引いちゃいました
おんぷちゃんが理想の女性とかも、なんか怖いし……
ソラさんのこと適当にして傷つけるんじゃなくて、自分が地雷だって自覚していて告白を拒絶するのはまぁ偉いなとは思いましたが……。

ただでさえニチアサの女児向けアニメ(しかも過去作品)のキャラを推してる男ってだけでイメージ割れそうなのに、せっかくの「おジャ魔女男子」が残念な感じに描かれていてかわいそう。
あまりジェンダー的なところを敏感になって槍玉には上げたくないけど、例えばこれが特撮好きの男3人の話で、唯一出てきた特撮ヲタ女子が地雷みたいな描き方されてたら、ヲタ女に対する偏見だってモヤモヤする視聴者増えてくると思いませんか?
せめて、ミレの相手役のイケメンも「ファンでほどではないけど当時おジャ魔女は好きで見てて、その話がきっかけでミレと距離がより近くなれる」とか、おジャ魔女男子要素入ってたらバランス取れたんではないかなぁと思いました。

というか、炎上経験あり、写真無断掲載されて、女友達2人にやめなよー!って言われてるのに、「過去とか噂で判断したくない」って言って擁護してしまうのとかは、そのまんま「恋は盲目」の生々しさを感じてしまって、この辺りも居心地の悪さを感じてしまいました。

●ミレのストーリー

キャリアウーマンだけど嫌な上司のせいで鳴かず飛ばずで……という、頑張る女性モノにありがちな感じ。仕事ぶりとか能力とかバイタリティは自分とは全く違うなと思えたけど、世代的な意味では1番共感ができました。
家庭に入り家事が得意という全時代的な女性像ではなく、バリバリ仕事できる女性で家事はずぼら、というキャラ付けは現代の働く女性像を意識したのかなと感じました。
ただ、喧嘩のストーリーはちょっと……実際の喧嘩ってあんなもん?なのかな。リアルかリアルじゃないかはさておいて、私には喧嘩がリアルに感じられず、もっと言い方あるじゃんとか、これだけ仕事できるバリキャリがそこの気使えないことなくない?とか、違和感を感じてしまいました。違和感を持ってしまった時点でもうだめで、いくらおジャ魔女どれみ好きだからって、仲直り回を見て仲直りしようとするのはなんか……とかも思ってしまいました。
この辺りは完全に私の方が捻くれていて、大人でも子供でも、わかってる当たり前のことが蔑ろになりがちだからこそ、それをストレートに教えてくれる「アニメ」でいつでもハッとさせられるという、子供向けと割り切れないおジャ魔女どれみの素晴らしさを伝える演出としてはかなりいい演出だと思うんですよね。
実際ファンの方のブログを読むと、どれみとはづきの喧嘩回は、喧嘩の発端から拗れ方、謝るまでの流れがかなりリアルにできているらしい。どっちもどっちな感じで、どっちがより悪いとも割り切れない感じがあるんだとか。この話を読んで、なんなら、魔女さがより原作アニメの喧嘩回の方が面白かったのでは?と思ってしまいました。個人的には、ミレとレイカの喧嘩は「どっちもどっち」には思えなかった。
後の展開を見ても、レイカちゃんの方が大人だなと思いました。
同じ展開でも、もっと、「どっちも悪くない」あるいは「どっちも悪い」と思える演出ができたはず。辛い展開だからこそ、「そうなるしかなかった、自分にも経験あるな」と思わせてくれるようなリアリティが欲しいです

●レイカのストーリー

個人的には一番こたえました。
まずダメ彼氏の件。思い出したくもないくらいひたすらにイライラさせられました。これリアルなんですか?デフォルメされてる?どっちにしろ、最終的にはミレパンチで解決するのに、カタルシスとかスカッとする感覚とかほぼなかったです。イライラさせられた分それ以上の爽快感を期待していたのに、それでまずモヤモヤ。

お父さんとのストーリーが一番キツかった。
魔法のご都合で会えるところまで漕ぎ着けたのに、最終的に他人扱いされて個人的にも諦めてそれでおしまい?
ファーストコンタクトの時は今の家族が目の前にいたわけだし、最低とはいえお父さんも自分の娘ですとは言なかったのは想像に難くない。今の家族のために秘密は墓場まで持っていく的な
(というかそもそも離婚歴隠して誠実と言えるのか問題もあるし、なぜ離婚歴を隠していたのかという問題もあるし、、、過去を黙っている事自体が今の家族に対する裏切りなのでは?とかも思える。と言うかもっと言うと死後遺産とかなんや緩和の関係で戸籍を集めなきゃいけないからそこで今の家族に結婚歴バレるわけだし、隠してていいこと冷静になくない?ですか?)

とりあえず家族がいなくなったあと、レイカちゃんとお父さんとの2人きりで話す展開はあってもよかったし、そうするべきだったのでは?と思います。お父さん、本当にレイカちゃんのこと人生から切り捨てたのか?別にレイカちゃんのこと嫌いになったみたいな描写はなかったし、実の娘なんだから話しをするくらいの義務はあるはず。
2人きりで頑張って話してもそれでもドクズな事に他人のふりとかされるとしたら、そこでやっとレイカちゃんが吹っ切れる展開に納得できる。中途半端なまま可能性だけを残して、何もかも未解決のままこの話が折りたたまれてしまったのが、個人的にずっとショックで、ずっと引きずってる点。
リアリティラインが引き下げられている映画だったのならこの辺も気にならなかったのでしょうか。大人向けに作られてることがわかるほど、全体のテーマが重くしっかりとした映画に感じられるからこそ、それぞれのテーマに対する作り込みは適当なところを確実に排除していただきたかったと、個人的には思いました。

●ラストの大団円

やりたいこと、やりきったー!って感じ
すごく響くか、あんまり響かないかの2択だと思いました

●まとめ

この映画、どれみ原作ファン深度が深ければ深いほど絶賛されている気がします。ファンであればファンであるほど泣いたと言う意見も
うーんと言っている人ほどファンですと言う主張は少なく、違和感の部分をピックアップしてますし、絶賛したり泣いたりしてる人はめちゃくちゃ原作のネタを拾ってます
原作の記憶がほとんどない私が、そうだったのかー!と唸ってしまい、

【参考】

https://ameblo.jp/mikan-to-soup/entry-12672607897.html

↑この記事は、はっきり言って凄まじい!
Theどれみファン、もとい、Theどれみヲタによる熱烈感想。
と言うかもはや解説の域にまで達しつつあります。
私のようなにわかからすると拾いきれなかったネタがわかりやすく拾われていて勉強になりました。
BGM、エンディングであの曲が使われていた意味、登場人物と原作キャラクターの共通点、対比etc...
自分が気になったところや面白かったところも、それらがガチファンの視点だとそう言う感想になるのかーと思てるだけでも楽しい。

映画を見た時、「ガチファン向けだな」と感じたけど、それを確信できる記事でもあり、また、映画の制作者が伝えたかったこと、届けたかったことって、こう言うことなんだろうな……と思えるいい記事です。
魔女さがを見てこんなにも幸せそうに、純度の高い記事が書ける人がいるってことが、もうこの映画が生まれた意味を体現していると思える良記事でした。

https://mito-913.hatenablog.com/entry/2020/11/14/195922

↑この人もドレミガチヲタの方の記事。
前の記事に比べて文量はスリムだけど、熱量は負けず劣らず。前記事の人と同じような要素で興奮したり泣いたりしているので、ファン向け作品をファンが見ることの素晴らしさが痛いほど伝わってくる
自分が感動できたかとかはさておいて、この映画が間違いなく価値があるなと思える記事

https://www.nanimokamogakokkei.com/entry/2020/11/19/200000

↑こちらの記事はかなりスリムな記事
所感としては私にかなり近いです
ファン要素を度外視して、ストーリー的な部分を抽出した時にどうしてもつまらなさが出てきてしまいます
どこを重視するかはもちろん大切だけど、ファン向け要素を盛りに盛ったからストーリーは粗があってもいい理由にはならないですし、この方が言うように、ラストの展開に関してももう少し伏線的なシーンやセリフを1〜2個付け足しただけでも突然感が減ってストーリー深度はぐっと上がったと思います。

https://blog.monogatarukame.net/entry/majyo_minarai

↑これはかなり長編記事
ファンの解説というよりアニメ作品の評論のプロによる記事って感じ
声優の演技のもやもやに関しても、踏み込んだ批評をされていてなるほどなとなりました。
ストーリーとしてゴールがないのが欠点というのもわかる

どの記事を読んでもレイカちゃん役の声優さんが絶賛されているのは結構納得
本職じゃないのはわかるのに、それでもアニメの雰囲気に合っていると思えるし好感も持てる
どれみちゃんに聞こえてくるってのもわかりました
かつきよ

かつきよ