ケイスケ

スケアリーストーリーズ 怖い本のケイスケのレビュー・感想・評価

3.5
「怖い本」って言う割にはそこまで怖くないんだけど、自分の場合ホラーを観る際には怖さよりもアイデアを重視するタイプ。もちろん怖ければなお良いですけどね。本作は王道でありながら工夫を凝らされて面白かった。

ハロウィンの夜。町外れの幽霊屋敷に入った高校生たちが見つけた本には、数々の怖い話がつづられていた。翌日から本を見つけた仲間が一人ずつ姿を消し、さらに本には毎夜新たな物語が書き加えられていった。主人公は消息不明の高校生たちで、そこには彼らが最も怖いものに襲われる物語が書かれていた。

ホラーは登場人物がある事をしでかして取り返しがつかなくなってしまう展開がよくありますが、今回のきっかけはタイトルにもある“怖い本”。碌な目に遭わないんだから勝手に持ってくんじゃねーっつーの!本作はギレルモ・デル・トロが制作に関わってるのでクリーチャー造形が凝りまくってますね。

やはり印象的なのはネットでも話題になったペール・レディでしょうね。多分5分くらいしか出てないけど存在感がやべえ。だんだん可愛く見えてくるよね。あと良かったのはルースの顔のできものから蜘蛛が這い出てくるとこね。ごめん、容姿をいじるのはよくないけどルース役の人が絶妙な顔をしてるから余計に印象に残るのよ笑。

ただ引っかかるところもあって、本作は1968年が舞台なのでベトナム戦争と大統領選挙が背景にありますが、これを映画の内容的にどう落とし込みたいのかいまいちハッキリしない。サラの話同様に戦争も恐ろしく理不尽だと言いたいのだろうか。あとラストはちょっと投げっぱなし感が強いですよね。

ちなみに原作は児童書ですが内容とイラストがあまりに怖くて苦情が殺到したそうです。内容を見ましたが当たり前だろ!でもデル・トロのような変態に影響を与えただけでも充分に価値があるのは確か笑。ちなみに原作の2作目の副題は「恐怖のひき肉ソーセージ」とか言うらしい。さては全然懲りてねーな。映画も続編が作られたら観に行こうかな。秀作ホラーでした!