mimitakoyaki

デッド・ドント・ダイのmimitakoyakiのレビュー・感想・評価

デッド・ドント・ダイ(2019年製作の映画)
3.8
3ヶ月半ぶりの映画館です。
嬉しいです。
まだ電車に乗るのが怖くて梅田や心斎橋やら京都などの映画館には行けないけど、車で行ける近くのシネコンへ。

アダムドライバーとビルマーレイがボサッと突っ立ってる画を見るだけで、しかもジャームッシュの作品だなんて、絶対観るしかないじゃないですか。
それでゾンビ映画だっていうし、どんなんかなとワクワクしてたんですが、ナンジャコレ的な…笑

ゾンビ映画でもジャームッシュのユルさとオフビートは健在。
キャストもファミリーとも言えるお馴染みな役者で最高だし、なんか超豪華なおふざけ作品て感じで、楽しく作ってたんだろうなという感じが溢れていました。

わたしはジャームッシュの作品は好きなので、イギーポップがダイナーでコーヒーを欲してるとことか見たら、それだけで嬉しくなるし、トムウェイツの森にいる謎の世捨て人とか、エーーってなりますよ。
ちょっと哭声の國村隼を思い出したりとかして。

アダムドライバーの名前もピーターソンだったりして、結構セルフオマージュぶっ込んで来てたり、あとアダムドライバーのナタ捌きなどのスターウォーズいじりとか、ティルダスウィントンが施すメイクやら、自らのアイメイク(スノーピアサーの役に匹敵するイカれ具合が最高!)、キルビル風の日本刀使いなどなど、アッ!と思うシーンがてんこ盛りで、その小ネタが分かる人にはフフッと楽しめます。

あと、大好きなブシェミが、めちゃくちゃ既視感のある赤いキャップかぶってクズ呼ばわりされてるのも最高だし、細かいギャグが散りばめられてて、大笑いする作品ではないけど、思わずニヤッとする感じがたくさんありました。

ジョージAロメロの作品はちょっとしか見たことないんですが、ゾンビ映画に込めた社会批判、風刺ってのも、ちゃんと本作でもあって、政治や社会や環境の大きな問題には無関心で、目の前の物欲に支配され依存する人間。
また、大変な事態が起きても人々はバラバラで、繋がりや団結、連帯が生まれることもない、そんなことが描かれていたのかなと思いました。

あと、アダムドライバーのセリフが急に役ではなく俳優視点になって、それがすごく奇妙でシュールだったり、ティルダスウィントンの最後とか、もうナニコレ?と呆気にとられる展開とか、ほったらかしで回収されないエピソードとか、なんかいろいろあえてハズしてくる感じ、ほんと好きに作ったんだなと思いました笑

テンポもスローだしユルいしで、眠気もくるくらいでしたが、ジャームッシュのヘンテコな映画を最高のキャストで観れて楽しかったです。

37
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