【happy re:birthday】
高く飛翔する為には 一度沈み込む必要があるだろう。同様に、自身が成長する為には 深く降りねばなるまい ―己の深奥へと―。
その顕現として、彼等は坑道を下に降りてゆき そして最期に垂直上昇する。
はじまりがどうだったかなぞどうでもいい。例え邪に端を発しようと その過去を刷新する事こそが飛翔であり成長なのだから。
鈴原守が 好意を寄せる少女にその想いを伝えようとするも 思い止まる場面。彼等の相貌に夏の柔らかな風が当たり 其々の髪を揺れ動かす ― この風は自然現象などでは断じてない。彼等の 想いの強さの表徴だ。
同時に この時点の彼等の想いや覚悟は、たかだか髪を揺らす程度の“微風”でしかないとゆう事だ。
然し終極、猛烈な風が吹き荒れる ―これが私達の本当の気持ちなんだと云わんばかりに―。
7日間で曜日が一巡りし 迎える誕生日は彼等の“再誕の日”。
嵐過ぎ去れば、屹度空は晴れる。
《劇場観賞》