このレビューはネタバレを含みます
アウトロー刑事とヤクザの親分がタッグを組んで連続殺人犯を追うというエンタメ感溢れるプロットながら、中身もちゃんと骨太なクライムサスペンスになってた。いやー面白い。
テンポが良くない部分も多々あったが、上記の通りエンタメとサスペンスのバランスが良かったので見応えは持続できてたと思う。
サイコな犯人の人物像なんて深堀出来ないならいっそしなくていいやと、割り切った作りもむしろ好印象。材料は散りばめたから後はどうぞご勝手に、的な。
犯人を追い詰める決定的な証拠として奴が登場したのは、一つのピークを過ぎた後のダレを吹き飛ばすような盛り上がりを見せる演出だったが、肝心の証拠そのもののインパクトが弱いのが残念。イマイチ膝を打つようなアイテムではなかったかな。
しかし、それ以上にん~?と思ったのは刑事が特に代償を払う事無く物語が終わった所。
対等に対立してた親分はしっかりお勤めに向かわれたのに一人表彰とは何事ぞ。
親分役の顔が日本で言う六平直政的な、ツラは怖ぇけど優しい人なんだろうなって感じが滲み出てて良かった。実際最後の登場がそれを物語って……と思いきやあのオチ。
まさに悪人道。
全員悪人だ。…どこかで聞いたコピーだな、オチも含めて。