馮美梅

見えない目撃者の馮美梅のネタバレレビュー・内容・結末

見えない目撃者(2019年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

これから優秀な警官としてやっていこうという矢先、交通事故で自らは視力、そのため車に残された弟を助けることができず無くしてしまう主人公浜中なつめ。

自暴自棄な日々。
そんなある日、ある事件に遭遇する。車の中に女の子の助けてという声が気になり、長者町警察に向かいそこにいた木村、吉野刑事に訴えるが視覚障害の自分の話を真剣に聞いてもらえない。もう1人、目撃者がいるというなつめ。そのもう1人の目撃者、国崎春馬。スケボー少年は無気力な日々を過ごしていて、目撃証言も曖昧。

元刑事、そして視覚障害になった故の聴覚や触覚の敏感さで、これは単なる事故ではなく、少女監禁誘拐事件だと木村や吉野に訴え続けるなつめ。

次第にいろんなことが明らかになっていく事実。

思っていた以上に面白かったし、最後まで集中力が途切れることなくハラハラしながら観ました。

吉岡里帆さんの演技もさることながら、高杉真宙さんも本当に平清盛の頃のたどたどしい演技からここ数年で本当にいい演技を見せてくれるようになりました。

しかし、なんだかついこの間、あなたの番ですで凄惨な殺され方されていた浅香航大さんがこちらでは逆に凄惨な殺人者を演じていたのはおかしかったけど、その演技は恐ろしかった。特に殺人シーンや、なつめを追いかけるシーンなど、淡々としてる姿がさらに不気味さを感じました。

生きている意味を見出せなくなっている人たちが事件を通して、その意味、そして自分を取り戻していく成長譚でもある作品だと思います。

見応えのある作品でした。
馮美梅

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