ドント

ディヴァイン・フューリー/使者のドントのレビュー・感想・評価

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 2019年。俺の拳は退魔の拳! 幼い頃に父を亡くし神を信じない総合格闘家の手に聖痕が! 折しもバチカンから悪魔祓いに来ていた初老の神父と共に彼は、韓国に救う悪魔と戦うのであったが!
「手に聖痕が出た青年が悪魔と取っ組みあいor殴り合う」という中二病感溢れるあらすじでそれに相応しく格闘シーンはイカしているし、悪魔とそれを崇拝する連中のワルの魅力、それに憂いを持ったパク・ソジュンの佇まいは素敵だ……がしかし。
 それにしてはちょいとマジメすぎて「お話」過多ではなかろうかと思うのである。冒頭10分のコッテリした悲しき過去話などの重さとセイントパワーで拳が燃える(物理)などのいい意味の「軽さ」が喰い合わずどうも歯車がうまく回っていないような印象があり、そのせいもあって長く感じる。喜怒哀楽全部入れちゃうぜなコリアンエンタメ魂は結構なのだがどうも突貫・急造な感触は否めない。素材の味が殺されている。
 もっといい意味で勢いまかせな感じでのかったのではなかろうか。敵があんなんなのだからもうボンボコ殴る蹴るな方に振り切ってほしかった。惜しいなぁ。役者、アクション、撮影は美味なのでなおさら惜しい。イケメンが司祭の服を着るという垂涎の場面・ショットもさらりと流されている。「これは悪魔と戦う鎧となります」との台詞があるのならその絵姿をカッコよく映すべきじゃ! 続編作る気満々なので2はその方向でお願いしたい。
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