阿飛

ブルーノート・レコード ジャズを超えての阿飛のレビュー・感想・評価

4.2
(書いていて「ジャズ」がゲシュタルト崩壊した)
よかった。ジャズの話は少し悲しい気持ちになることが多いのだけれど(みんな死んでいくから)、これは違った。
今までと今を知って、これからに少し希望を持てる構成になっています。

でもジャズを知るというよりも、どちらかというとジャズという音楽を支えていたブルーノートというレーベルのドキュメンタリーなので、ジャズ史に対しては必ずしも包括的ではないし、レーベルのあり方をみるのが一番いい。
ブルーノート創設者や今の社長のアーティスト愛や音楽愛が爆発していて、それだけでも幸せだなと思えます。
併せてハービーハンコックやウェインショーターなどの巨星と若手とのレーベル内での交流があるのをみて、文化的なDNAは受け継がれていっているのだなと安心できる。

セッションシーンが鳥肌ものです。どうやったらそれが合うのか分からないし、ぴりぴりしているけどリラックスしていて、あの場で演奏できたらどれだけの昂揚感に包まれるのだろうかと想像してしまいます。
他にもライブ映像など流れるのですが、通しで観られるものがないのが少し残念ですね。ビルエヴァンスのドキュメンタリーを観た時も同じことを感じました。

ブルーノートが復活してからHip Hopなどの音楽も取り入れ始めて、という流れでロバートグラスパーは期待していたけれどまさかケンドリックラマーの曲まで聴けるとは思っていませんでした。いい意味で予想外です。
阿飛

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