えいがうるふ

バクラウ 地図から消された村のえいがうるふのレビュー・感想・評価

4.2
やー、なんかすごいもん観ちゃった感。ブラジル映画をちゃんと観るのが恐らく初めてなので、これが普通なのかこの作品がたまたま独特なのか判断がつかないが、なんともぶっ飛んだ作品だった。

とにかく、出演者も撮る方もどこまで真面目にやってるのか何なのか分からない独特の雰囲気がすごい。エロありグロありのカオス展開なのに、それこそロバの歩みのようにどこか底抜けに明るく牧歌的で画面の緊張感が持続しない・・・と思いきや終盤の畳み掛けは追いつくのが大変なほど。演出なのか手抜きなのかヤケクソなのか分からないぐらいやることなすこと雑でびっくりするが、だんだん癖になってきて次は何が来るかとワクワクしてしまう。しれっとフレームインしてくるチープすぎる謎の物体や必然性が分からない謎演出の数々に爆笑させられたかと思えば、血で血を洗う壮絶な戦いの末路の容赦の無さに唖然とさせられたり、急かされているわけでもないのに目が離せなかった。最初は何がなんだか分からないのに、終盤になると「えっまさかの西部劇?そんなシンプル話だったんかーい?!」と逆に驚かされるというのも想定外。
一見狂ってるようで実は見事に筋が通ってるのがスゴイ。

結末は全然笑えない話なんだが恐らく作り手側からすると笑い飛ばすのが正解なんだと思う。決して万人にオススメはできないが面白かった。
ブラジル映画もっと観なくっちゃ!