えびちゃん

家族を想うときのえびちゃんのレビュー・感想・評価

家族を想うとき(2019年製作の映画)
-
本作を観ようとした日の朝、「最近楽しんでお仕事されていますか?えびさんには笑顔がいちばん似合いますよ」というメールを仕事関係者から拝受した。年末からアレコレ抱え込んでついに血尿が出たりと正直かなり落ち込んでいたので、ぐさりと刺さり、映画以外で久しぶりに涙が出た。しばらくお会いしていない方なので、わたしの送信したメール文面からしんどみが滲み出てしまっていたのだなと反省しながら。
愛があって、支え合っていて、でもみんながみんなギリギリで。助けたいと手をさし伸ばして、相手も応えたいと思っているけど、受け止められる心の余裕がない。掴みたいのにどうしても腕の間をすり抜けてしまうやるせなさ。家族の笑顔が見たくて仕事をしているのに、仕事に笑顔を奪われる。目的と手段がいつの間にか逆転し、乗っ取られてしまう。

人の悪意とか思惑で失望したり傷付けられたりいっぱいいっぱいだ。誰も信用したくなくなる時もあるし、全員が敵に見えて疑心暗鬼に陥ることもある。それでも、そんなどうしようもない沼の底から救ってくれるのもまた人だ。思いをいつか受け取ることができるように。そして傷つけるのではなく手を差し伸べる側でありたい。
えびちゃん

えびちゃん