ねこ無双

マティアス&マキシムのねこ無双のレビュー・感想・評価

マティアス&マキシム(2019年製作の映画)
5.0
グザヴィエ・ドラン監督・主演。
すっかりミニシアター系だと思ってたので、シネコン上映で小さな驚き。
主演も兼ねた監督作はトム・アット・ザ・ファーム以来で話題になってました。
ジャケ写から想像していた展開とはまるで違ってたけど、それもよし。

全体のたわいも無い会話劇、ドランの繊細な表情を見てるだけでも楽しかったんですが…

母との報われない愛憎にせつなくなり…
マキシムを取り囲むそっと暖かい愛情に癒され…
伝えられない感情に泣き…
7歳の時に描かれたマティアスとマキシムのクレヨン画に二人の簡単には変えられない歴史を感じ…
届けられない思い、届かない思い。

まぁ、そんな観客席でマスクがぬれるほど泣いていた人は私くらいかもしれませんが、じわじわと様々な感情を動かされる映画です。
これは同性間の愛情を含む映画ですけど、彼らが感じる気持ち、家族や人生、友情への感情は共感できる普遍的な感情だと思います。

ドランのドキュメンタリーで画をよく考えて作っている事を知ってたので、ストーリーと関係ないところでふっと背景に犬が走ってたりしているのが見えたりして、楽しい気持ちになりました。

扉を開けて見える光景のラスト。
映画館で感情を寸断される事なく観れた事に感謝します。