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チャーリー・セズ / マンソンの女たちのkingyohimeのネタバレレビュー・内容・結末

3.9

このレビューはネタバレを含みます

物語の舞台は1960年代のアメリカ、ハリウッド。
刑務所の特別房に収容されている3人の女性がいた。
彼女たちの犯した罪は殺人。
チャーリーという、カルト集団のリーダーに指示されて犯罪をおかした。
チャーリーは、ハリウッドの近くに映画村のような場所を作り、そこで若い男女とコミューンを築いていた。
彼らは働かず、ドラッグやマリファナを吸って自由に暮らし、ゴミを拾って生活を立てていた。
その集団の様相が変わったのはチャーリーが音楽プロデューサーから目をつけられるも、相手にされなかった出来事があってから。
暴力が横行するようになり、やがては集団は強盗殺人まで犯してしまうー。

実話らしい。
多分、有名な話なんだろうと思う。
これを観ていて、洗脳の様子が分かりやすく描かれていると思った。
まず、この集団にいる女性たちは最初、自分たちの意志でコミューンに来てずっといる。
主人公の女性は最初、チャーリーに「帰れ」と言われるも自分の意志で集団に残る。
これがもし、最初に強引に勧誘されたり引き留められていたら、恐くなって帰っていたんじゃないかと思う。
そして、自分の意志で残った後、それまで使っていた名前を捨てさせ、それらしい事をカリスマ性のあるリーダーが説く。
段々それに心酔して自分の意志がなくなっていく女性たちー。
始終、薬なんかをやってるからまともに考える頭も無くなってたのかもしれない。
素面で見ると、ここはルールはない、自由だ、と言いながら、女性は男性にお金を預けろとか、食事は男性が先だという決りがあるなど、おかしな事ばかり言ってる。

これを観ていて思ったのは、カルト集団というのは同じような行動をするという事。
音楽や踊りで高揚させる、訳のわからない世紀末論を唱える、ヨガや瞑想をする(この映画ではヨガはしてない)。
その手法は洗脳のやり方として通用していて、後から出てきた集団はこれを真似たのかもな・・・と思った。

チャーリーに洗脳されていた女性たちはどこまで洗脳されていたんだろう。
集団にいた時も、100%洗脳されていた訳ではないと思う。
でも、おかしいと思った時点でものすごい後悔と自分の頭で考えないといけない、という恐怖が押し寄せる。
だから後戻りできない。

映画のラストシーンが良かった。
彼女には別の選択もあった。
チャーリーに一矢報いたような、バイクに乗った時の彼女の表情が良かった。
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