北斗星

男と女 人生最良の日々の北斗星のレビュー・感想・評価

男と女 人生最良の日々(2019年製作の映画)
4.5

だいぶ前に『男と女』を観たが、ストーリーはほぼ記憶にない。ふたりがひたすら抱き合うモノクロシーン、ダバダバダのテーマ曲。イメージ映画のようなお洒落な映像。


アンヌと介護施設にいるジャンとの50年ぶりの再会。
施設と言っても悲壮感は全く無く、カラッとしてて明るい。まるでヨーロッパの陽光のよう。


二人の会話がゆっくり進んでゆく。
間や余韻がとても心地よい。


アンヌ演ずるアヌーク・エーメはお年を召したと言えども、やはり“ザ・仏女優”。華があり雰囲気がある。話し方も穏やかで魅力がある。髪をかきあげる仕草も色っぽい。

ジャンも、どこか憎めないイケオジイ。
若い女医にはいつもの決め台詞。『まだオレと寝ないのかい?』

『お父さんはどこか人を食ったところがありますね。本当は認知症じゃなく演技なのかも、、。』


アンヌとジャン、それぞれの子供も当時と同じ俳優だと知り、ビックリ。

アンヌは地に足が着いており、生活者になった。
『逃避行はもう出来ないのよ。』


全編、過去や現在の風景や映像がひたすら美しい。
若いふたりが見つめ合ったとき、ただ笑顔になる。



ジャンは沢山の女性を愛したけど、やはり最愛の人はアンヌだった。

アンヌはどうだったんだろう。

自分の人生を振り返った時、心から愛した人はやはりあの人だった…。
そんな相手をパッと思い浮かべることができたなら、とても幸せで豊かな人生だったんじゃないでしょうか。


エンディングの広大な大地と夕陽、素晴らしかった。
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