マヒロ

生きるのマヒロのレビュー・感想・評価

生きる(1952年製作の映画)
4.5
市民課長として決められた仕事を淡々とこなすだけの人生を送っていた男が、ある日胃がんを宣告され余命幾ばくもないことを知り、自分の人生を見つめ直していく…というお話。

伴侶を亡くし友人も無く、一人息子も自らの手を離れていこうとしているという状況に、畳み掛けるような余命宣告によりすっかりしょぼくれてしまった主人公は、ヤケになって飲み屋で偶然であった男の手引きで賭博やらなんやら遊び呆けてみるんだけど、結局すぐ命を落とす身、心の底から楽しむことは出来ずに再びしょぼくれてしまう。そんな中で、自分とは対照的に、型にはまらず自由奔放に生きる同僚の女性と出会うことで、最早何も残っていない…と思っていた自分の人生にもまだやれることが残っていたんだということに気がつき、ある"仕事"に着手する…というのが前半部分。

結局主人公が何を成し遂げたのか?というのは後半、周りの人々による回想で少しずつ明らかになっていく。主人公は最終的に何かを大きく変えるようなことはできなかったけど、少なくとも彼の功績に感謝している人の心の中にはツメ跡を残していて、それはそれでただ肉体が生きることとはまた別のカタチでの「生き方」なのかなぁと思った。

(2015.236)