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ベル・エポックでもう一度のRockoのレビュー・感想・評価

ベル・エポックでもう一度(2019年製作の映画)
3.9
先月レビューした『恋のときめき乱気流』主演俳優のニコラ・ブドス監督作。脚本・音楽の全てをもニコラ・ブドスが担当。
フランスの名優ダニエル・オートゥイユとファニー・アルダン2人による燻し銀の演技や実力派俳優ギョーム・カネがノスタルジックな雰囲気の作品を引き締め、マルゴ役のドリア・ティリエの魅力で作品に華を添える。
この超美人のドリア・ティリエさんは2013年にフランスのテレビでお天気お姉さんをやっており、2014年フランスがサッカーW杯の出場を決めて祝福ムードが広がる中、出場決定の際にはヌードで天気予報を伝えるという公約を果たした勇気のあるお方。(動画は既に消されており、私が見たのはかなり小さい画像で草地を走り抜ける姿のみ・・・何も見えなくて残念)
ついでにギョーム・カネは実生活ではマリオン・コティヤールのパートナーでダイアン・クルーガーの元夫というモテ男。

そんな話はさておき、楽しみにしていたこの作品、いい意味で想像と違っていてかなり自分好みのテイストで楽しめました。
タイムトラベルではなく「タイムトラベルサービス」というコンセプトがユニークで登場人物もそれぞれに個性があり、感情的な人間からただのスケベな奴までw ただの雰囲気映画ではなくアク強めなR15が◎

70年代のカフェやファッション、車など過去は視覚的にも楽しめるようしっとりと幻想的なのに比べ、現代では厳しい現実が・・・
その日常と非日常の2つが上手い具合に重なって行きます。
さまざまな立場の人達が織りなす家族や愛のドラマ然り、コメディとラブロマンスとヒューマンドラマをフランス映画ならではの雰囲気でテンポよく展開されていく人生の一幕がとても味わい深く面白かったです。

そして70年代ロック大好物の私にクリス・クリストファーソンのあの曲を使うとは…!
ジャニスのカヴァーは毎回カラオケで歌ってたほど大好きな曲。このシーン最高過ぎてスコア+です。
やるなニコラ・ブドス。だてに顔が濃いだけじゃなく内容も濃かった。

フランス映画と言えばひと昔は抑揚が無くダラダラと日常を雰囲気で表現するような芸術的なのが特徴で観る人を選ぶ作品が多かったのに近年のフランス映画はテンポがよくて随分と観やすい作品が多くなりました。ハリウッドのような商業路線ではないところがやはりフランス映画の魅力です🇫🇷
セザール賞3部門受賞(助演女優賞・オリジナル脚本賞・美術賞)&8部門ノミネートのこの作品、フランス本国でヒットしたのも十分に頷ける内容でした!
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