LoveAnimal14

少年の君のLoveAnimal14のレビュー・感想・評価

少年の君(2019年製作の映画)
4.8
溌溂とした邪悪さで誰かの日常に土足で踏み込む者がいる。


不埒な干渉を繰り返し傷口をえぐり泥を塗りたくる。


虐めという行為そのものがどれほど愚かなものか気づきもせずに。


醜い者の心はどこまでも醜いまま。




それでも自分自身の夢の為に歯を食いしばる少女。


本来なら邪魔されるべきではない毎日を悪戯に踏みにじられる。


なぜ傷つけられなきゃいけない?


冷静を装っていても心の中は悲鳴をあげ続けているのに。



誰か…たすけて…。





粗野な少年は前触れもなく現れた…。


いつしか自分が誰かの希望になることも知らずに。


彼女は本気でたすけてほしいと願った。


他の誰でもない…彼に。


彼は本気で救いたいと思った。


他の誰でもない…彼女を。



恋と呼ぶにはあまりにも乱暴で。
愛と呼ぶにはあまりにも儚くて。


どんなに汚されても美しい心を持つ者たちは変わらず美しいまま。


まるで約束されたようにふたつの魂が呼応しあうとき…。



「君は世界を守れ。俺は君を守る。」



少年の覚悟と少女の秘密が静かに動き出す。



ふたり 対 世界。
今…悪意に満ちた日々に傷だらけのファイティングポーズ。




涙でにじむ流星雨の真下…博打のようなかりそめの明日を描く。
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