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青葉家のテーブルのalmosteverydayのレビュー・感想・評価

青葉家のテーブル(2021年製作の映画)
3.5
西田尚美と市川実和子の過去のいきさつを、若気の至りと前のめりな勢いで録音したであろうカセットテープ(!)で露わにする展開には頭を抱えて叫び出しそうになったし、そんなモヤモヤを残したままの相手の娘を短期間としても居候として迎え入れる西田尚美が懐深すぎるし料理上手すぎるし、自分のお店の看板メニューにかつての相棒の名を冠している市川実和子の筋の通しかたにもぐっと来たんですよね。このふたりに限らず、大人が全員のびのびとして穏やかなのがとてもよかったです。同居人カップルも寺の住職も。ただ、謎の音のくだりはさすがにバレバレでしたよね。いかにも何かやってそうな雰囲気モロ出しですもの、片桐仁。

若者世代のあれこれはみずみずしくもありほろ苦くもあり、いいね!夏だね!と褒め称えたくなる爽やかさ。というかこれ、春秋冬の別バージョンも観てみたくなりますね。四季おりおりの食卓とともに。もともと北欧、暮らしの道具店のウェブドラマから始まった劇場版ということもあり、もしかしたらまた新たな展開が望めたりするのかもしれません。だったらいいな。

それとは全く関係ないけど、キングオブコントで空気階段の細長いほうのひとの女装じゃない顔を初めてじっくりまじまじ見たとき「このひと絶対だれかに似てるな」と思ってそのまま忘れかけていたのですが、本作を観てハッとしました。忍成修吾だ。ああ、すっきりした。顔全体の雰囲気がじんわりとよく似ていると思います。
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