あるちう

ハスラーズのあるちうのネタバレレビュー・内容・結末

ハスラーズ(2019年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

初観賞
【あらすじ・感想】
ストリッパーとして働くデスティニーは同クラブのスターであるラモーナに教えを乞い、ウォール街の金融マン達を相手に荒稼ぎする。しかし、2008年リーマンショックの影響で空前の不況のなか簡単に稼げなくなった彼女たちはクスリを使って客のクレジットカードの情報を抜くという犯罪的な危ない橋を渡るようになり。。

事実を基にしているだけあって、ドキュメンタリー的な要素がかなり強い。
いわゆる性風俗業に携わる彼女たちは、様々な事情、背景がありその仕事に就き、日々の苦労の末にお金を得ているということを描く一方でそのこと自体を簡単に美化しない。彼女たちの悲哀のみに焦点を置き、同情させ過ぎないフラットな作りを意識したのではと感じる。
その分逆に感情移入しにくく(性別的にということもあるかもしれないが)映画としての評価では平均となったが、作品を通じて歪んだ資本主義への警鐘も感じられる良作。

【良かった点・好きなシーン】
デスティニーとラモーナが互いを思いやるシーンは総じて美しい。ふたりでひとつのコートにくるまるシーンも、幸せなクリスマスも、路上の別れも、離れていても。。
単なるビジネスパートナーではなかった、心から互いを必要としていたことを強く印象づけられるがゆえにスタッフロールでの演出にはこみ上げるものがあった。
友情を越えた愛情とは。。こういうものなんだろうか。
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