ひこくろ

銀魂 THE FINALのひこくろのレビュー・感想・評価

銀魂 THE FINAL(2021年製作の映画)
3.5
「銀魂」のファンにはたまらない一作なんだろうなあと思った。
いきなり、これは許されるのかってほどのパロディ(パクリ?)であらすじが語られる悪ノリっぷり。
かと思えば、本編に入ると急にシリアスになり、今度は格好いい様子がとことんまで格好よく描かれる。
どちらも途中で茶化したりすることはない。
シリアスもギャグも、はじめたらとにかくとことんまでいく。
このバランスこそがたぶん「銀魂」のノリであり、魅力なんだろう。

長い作品の完結編とあって、様々な要素か絡み合って描かれるが、構造はいたってシンプルだ。
基本は、江戸の人たちと侵略してきた宇宙人との対決。
そこに、かつての師匠・虚と、かつての教え子である銀時、高杉、桂との激突が絡む。
これだけなので、意外と全然作品を観てこなかった人でも楽しめる。

ただ、戦いが終わった後のエピソードに関しては、ファン向けの要素がとても強い。
それまでごっちゃにしなかったシリアスとギャグを入り交ぜて描くやり方で、面白くは見せてくれるし、じんわりと残る余韻も心地いいが、やっぱり初めて観る人にとってはわからないなと感じてしまう点も多い。
こればっかりは、長いシリーズ物の完結編としてしょうがないところだろう。
あと、素人目に見ても、作画が荒いというか、絵が雑に見える箇所がいくつかあるのも気になった。
劇場版とあって、力を入れているところはものすごく力を入れているだけに、余計に荒い部分は目立ってしまう。
ここはとても残念だと感じた。

とはいえ、ファンなら絶対に観ておきたい一作だろうし、一見さんでも普通に楽しめる映画だと思う。
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