へたれ

オフィサー・アンド・スパイのへたれのレビュー・感想・評価

2.4
良かったとこ ジャン・デュジャルダンの抑制が効いた演技
巻き込まれ型で正義感に目覚める男といえば単純だけど、運命に耐えるという意味ではあまり印象にも残せない役。そういう静かな役周りを、ちょうど良い程度のエネルギーで演じているのが良かった。

ダメだったとこ 散漫な構成
まず、ドレフュス事件でポイントとなるイベントは映画の中では直接描かれず、そうしたイベントを受けたそれぞれの人々を描いている。そのため、映画全体が持っている熱量がほとんど観客には伝わらず、エピソードをつまみ食いして並べただけのような散漫な印象を受ける。
そこに輪をかけて、前半は時間が前後する。劇作中の仕掛けとして時間が前後しているというより、連想に次ぐ連想で時間が飛んでいるような印象を受ける。その結果、前半は特にまとまりに欠けていた。
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