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ハニーボーイのkuuのレビュー・感想・評価

ハニーボーイ(2019年製作の映画)
3.7
『ハニーボーイ』
原題Honey Boy.
映倫区分PG12.
製作年2019年。上映時間95分。

天真爛漫な演技を見せた映画『ワンダー 君は太陽』のノア・ジュプ演じる人気子役の心の成長を描いたアメリカ製ヒューマンドラマ。
シャイア・ラブーフが自らの経験をもとに初めて脚本を手がけ、主人公の父ちゃん役で出演もしてます。
(彼はジョージア州サバンナで2017年7月に公衆酩酊で逮捕され、10週間のリハビリプログラムに参加するように命じられ、そこで彼はPTSDを持っていることを発見し、ハニーボーイの脚本を書き始めたそうです。)
ジュプが12歳のオーティス、ルーカス・ヘッジズが10年後のオーティスをそれぞれ演じる。

ハリウッドで人気子役として活躍する12歳のオーティスと、彼のマネージャーを務める父ちゃんのジェームズ。
前科者で無職のジェームズの不器用な愛情表現に、オーティスは常に振り回されてた。
そんなオーティスを心配する保護観察官のトム、モーテルに住む隣人の少女、共演する俳優たち。
彼らとの交流を経て、オーティスは新たな世界へと踏み出していくが。。。

『おとぼけスティーブンス一家 ザ・ムービー』から『トランスフォーマー』まで、シャイア・ラブーフのキャリアが急速に進化し、徐々に風化していくの感じ得なかった。
現在やと人々が彼をどう見ているのか。
今作品は、名声に溺れちまった人物として知られる彼が、人生のある瞬間、なぜそないな行動をとったんかを教えてくれる映画でした。
個人的には面白い作品でした。
今作品は、シャイア・ラブーフ自身の子供時代の実話を、名前を変えてわかりやすく描いた作品でしたし、ラブーフは実の父ちゃんを演じてたし、ある意味、この映画の中心的な人物でした。
ノア・ジュプとルーカス・ヘッジズは、オーティス(この物語で彼のキャラに使われている名前)を彼の人生の2つの時期から描き、2人とも善き演技を披露しています。
その2人の素晴らしい演技はさてコキコキ、今作品を見る価値はシャイア・ラブーフでした。
セレブリティは、自分自身のイメージ作りや、映画やテレビ番組で選ぶ役柄で、人々から見られてる。
それらはある種の人格を反映しているかもしれへんけど、世間のスポットライトの中で本当の自分を許さないセレブリティは常に存在する。
だからこそ、今作品は、特にここ数年、ラブーフに対してネガティブな考えを持っている人たちにこそ見てもらいたい映画だと感じます。
今作品は、彼のキャリアの中でも最も素晴らしい演技を披露してると思うし、彼の裏側を見るのはマジに胸が張り裂けそうでした。
アルマ・ハルエル監督の作品はこれが初めてやとは思うが、ここでの彼女の仕事はめちゃくちゃ良かった。
彼女の次のプロジェクトが待ち遠しいかな。
善き会話、善き演出、そしてとても自然に感じられる演技が組み合わさって、この93分間の趣のある、感情のジェットコースターに完全に没頭することができました。
シンプルにまとめられてたし、行間を読むことができたかな。
映画が効果的でありながら、さらに深く見れば見るほど云いたいことが出てくるような作品と云えるし、小生はそないな作品が大好きです。
結局、フィクションに見せかけた素晴らしい実話のひとつかな。
シャイア・ラブーフの最近の行動を知っている人なら、この映画はかなり認知が変わる映画だと思うし、実際小生は目から鱗が落ちるまでは云わないでも見方は変わったかな。
最初から最後まで善きストーリーで、時には少しメタな話にもなるけど、それが意外にもとてもうまくいっていました。
仮名を使うことで、ハードな生き方をする若手俳優の物語として見ることができるし、今作品は多くの視聴者に注目されないことを恐れる、素晴らしい小作品でした。
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